兄者に別れを告げ、8時半頃フラットを出発。
ちゃっちゃかちゃっちゃかと手続きを済ませ、はい搭乗。

『Shaun of The Dead』という超バカバカな映画を観る。
あといくつかTVのコメディーもので笑う。

多分いつの間にか、日付が変わってる。

どっちにしようか迷ったけど、アストリアに行ってみたかったので、リトル・フィートを観てきた。まあまあ、楽しめた。『Sailin’ Shoes』と『Willin’』。とりあえずこれをやっていたので良し、と。
やっぱりボーダーラインでのブリトー・デラックスの方が間違いなく楽しめたろうな。いやいいんだけど。どっちにせよ多くを望んでいたわけではないので。

町中いたるところに、地下鉄の構内もいたるところにマイケル・ムーアのポスター。早くも大盛り上がり大会を見せている。
基本的にこの事件に関しては、彼と僕のスタンスは微妙に違うと思う。
少なくとも彼の著書や、映画の批評を見る限りではそう思う。
でも勿論、どっちなのかと言えば歓迎すべきことなのだと思う。

15時あたりの電車で、ロンドンに向かう。

ジャパン・センターでメールチェックをしたら(通りを挟んだネット・カフェでも日本語が使えるらしい。圧倒的に安く!いくらか忘れたけど高かったよココは!)、大変世話になったおっさん、トキさんが亡くなったとの報せが届いた。
そこまでヤバくなっていたとは知らなかった。

「へへっ。ごめんごめん。旅行で楽しんでるのにさ。とんでもねえ時に死んじゃったよオレ。」

今会うことが出来たら、絶対トキさんはこう言って来ると思う。
そんな人だった、トキさんは。

2つ3つ、買い物を済ませて兄者宅へ再び転がり込む。Yさんはもう日本に帰っていた。

そもそもこの会社には愛煙家が少ない。はっきり言ってキースしかいない。
僕が半年働いていた時、休憩時間になる度、二人でコーヒー片手に裏の駐車場に行き、しゃがみ込んでタバコをふかしていた。
そんなキースも、もうDSWを去ってしまった。腰を悪くしたらしい。
そのキースのパートナーであるジャッキーは、喉を痛めてここしばらく休んでいる。
今日は休みなので二人の家に遊びに行ってみることにした。
クリスに地図を書いてもらって、実は大変近くだったそのお宅を訪ねた。
ちょうど買い物から帰ってきたばかりの二人は、とても驚いて、そして暖かく迎え入れてくれた。ジャッキーがコーヒーを入れてくれ、そして彼女の喉を気遣って、キースと二人でまたしても外に出てタバコを吸った。美味かった。もうキースはほとんど家から出なくなってしまったらしい。パブにも行かず、あんなに好きだったダーツもすっかり御無沙汰になっているらしい。たった2年前だったのに。いや、もう2年も前なんだ。
そのあとリビングで3人で昔話をしていたら、ジャッキーが言った。
「もう私もそろそろやめようと思ってるのよ。」
ヴィヴも、ローズも、キースもいなくなっていた。そして今度はジャッキーもいなくなる。今月一杯でリーが辞めることも決まっている。
「それは寂しくなるね。」思わず出た僕の言葉に、軽くジャッキーは鼻で笑った。
「私は全然寂しくないわ。まあ、確かに仲間には会いたいとも思うかもしれないけど、別にね。なんにせよあの仕事はウンザリよ。」
キースもウンウンと頷く。
それもそうだな。辞める人間がイチイチ寂しがっていたら先に進めやしない。
「Totは、また帰ってくるのか?」
「うん、そうだね。チャンスがあればね。」
「新しい機械、見た?すごいわよね。」
「うん。楽しそうだねあれは。」
「アンタならもっと上手く回せるわよきっと!」
勿論さ。二人に見てもらえなくって至極残念よ。

クルマでクリス邸まで送ってもらい、二人と握手をして別れる。

晩、クリスからワーク・パーミット申請の書類を見せてもらった。

仕事が終わり、クリスとミックとピートと4人で、久々にペン・インで呑む。
2年前の僕の送別会も、ちょうどこの時期、この場所だった。
懐かしいなぁ、とか全然思わなかったが。

新しく機械を購入して、当然の如く仕事も増えた。
しかしアホみたいに当日(早朝)入荷の当日(午後イチ)出荷みたいな仕事を取ってきていたりする。
つまりアホみたいに6:00出勤ときたもんだ。クリスは荷受の為に5:30には出勤していた。6:00ギリギリに着いたらもうみんなしっかり機械の回りでスタンバっていたよ。
クレイジーだよ君達は。

家に帰ってから、クリスのPCを使ってメールチェックをさせてもらう。
ネコを預かってくれている人からメール。
「こんな病気の猫を預けておいてメール1通もよこさないとは一体どういう神経しているのだ。」とお叱りのお言葉。
しばし反省して落ち込む。
「かと言って、どうしようも出来ないだろ?」とクリスが慰めの言葉をかけてくれる。

凡そ2年振りに、かつての職場DSWで仕事。
毎週水曜日はアホみたいに7:30からの早出。アホみたいに従ったんだが、実際に仕事が出来るようになったのは8:30過ぎだった。
新しく購入した機械、そろそろ10ヶ月になるらしいが、既に2年近く経っているかのような汚れだ。なかなか良さそうな機械ではある。
仕事は余裕で終わり、早々と帰宅し、久々にクリスの手料理をいただく。

午前中、ペンザンス市内をプラプラ。食事をするほどの時間もないので、パブで1杯ひっかけて、ここで兄者達とはお別れである。
彼等はこのあと、Land’s EndとSt. Ivesに行き、それでロンドンに戻るみたい。
僕はこのあと、そうです。働くんです。
昼過ぎの電車に乗り、3時間ほどかけて辿り着いたその先は…。

おお、懐かしのNewton Abbotよ!

(続く)

9時くらい、Penzance着。
ホテルにチェックインして荷物を置いて朝食を取ってバスを捕まえて。
St. Michael’s Mount。
ここはすごい。とっても観光客泣かせ。ネットついでに検索してみて下さい。これ、実物見ちゃうと失禁しそう。

果てしなく堪能して、Marazionという町ものんびり散策。ゲージツ家がいっぱいギャラリーを出していて観光客の心をくすぐる。でまんまと乗っかっちゃってコーヒーカップを買っちゃう。でもこれがいいんだ。これでいいんだ。
帰りのバスの繋がりが悪く、ペンザンスにつく頃にはもう夕方。
ホテルで荷物を持ち替え(つまり防寒着)、ケバブ屋でテイクアウト買って、タクシー拾っていざ!
Minack Theatre……。
ここはすごい。とっても観光客泣かせ。ネットついでに検索してみて下さい。これ、実物見ちゃうと失禁しそう。

今日の演目はシェイクスピアの「お気に召すまま」。昨日ロンドンで出発する前に、YさんがPCに取り込んだ原作ダイジェスト版を読んで聞かせてくれたので、なんとなく筋は分かった。ありがとね。基本的にどうしようもないお粗末なストーリーだと思うのですが、なんにせよロケーションがサイコーなので何も言うことはありません。
終わった時にはもう既に23時を回っていた。
ここまで乗っけてくれたタクシーに往復を頼んどいて良かった。
ホテルに戻り、そのまま解散。
僕の部屋は、家族用の大きな部屋。だからまた割高になってしまったが、屋根裏部屋で中々いい感じ。
TVを点けたら『夜の大捜査線』をやってた。だからどうしたと言った感じですぐに消して、タバコを(禁煙だから窓開けてこっそりね)吸って、歯磨いて、寝 た 。

今日は日曜日だし、さっさとロンドンに帰ってカムデン・マーケットにでも行ってしまおうかと思ったのだが、昨日の特設テントに置いてあったチラシに泣きたくなっちゃう告知。「ベン・ウォーターズ ライヴ PM1:00」。
ちくしょめ。狭いパブの室内だったら昨日のものより数段楽しめるだろう。
行くしかないぢゃん。
それでもやっぱり2〜3時間悩みながら駅に向かってやっぱり寄り道して、プラプラしながらパブを覗いたりして。12時過ぎにパブに入り、チビチビ呑み始める。
別のバンドらしき人達がセッティングし始めたから半べそ状態に陥ってしまったのだが、1:00ギリギリになってベンちゃんがやって来た。

(中略)

素敵な演奏も終わり、夕方ロンドンに帰り、素敵なフラットで素敵な夕飯をいただき、いざ、今度は夜行列車。
パディントン23:45発。兄者とYさんとは別に取ったので車両も別。実は夜行って僕は初めてなのでちょっぴりドキドキ。車掌さんにお部屋を教えていただいて、更に様々なおボタンの用途なども教えていただき、大変舞い上がった次第。しばらくするとYさんが遊びに来て、「いいなぁ一人部屋は!」と文句を垂れていった。あとで食堂車に行こう、と約束して引き返していったが、実際に来たのは兄者だった。Yさんは疲れて発車と同時に爆睡してしまったとか。別に呑みたくもないのだが、一応思い出作りなので食堂車で呑む。窓を開けて煙草を吸っていたら食堂車のおばちゃんに激怒された。
飲み干して解散。
中々眠れなかったけど、何時だったのかは分からないけど、いつの間にか列車の揺れが心地良くなってきて、寝た。
tag : benwaters

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