6時半目覚まし、7時過ぎ起床。
シャワーは充分暖かく無問題だったが、シャワーヘッドがなく、蛇口からドバドバお湯が落ちてくる。かなり高い位置に固定(というより壁から管が出ている状態)されていて、正直、痛い。まあ、いい。
朝食は卵2個分のスクランブルエッグと食パン一枚。フルーツは自由。コーヒーは、ぬるい。まあ、いい。
9時出発。
フロントで水のペットボトルを買い(1CUC)、旧市街でのレンタル自転車やの有無を尋ねると、しばらく待たされたのち、無言でホテルの外に連れ出され、玄関先で佇んでいた初老のおじさんにスペイン語で道を伝えたのち、「この男に付いていくように」と言い残してホテルに戻っていった。
なんだよこのシステム。このおじさん、さっきからずっと中をチラリチラリ覗き込んでたんだよね。御用聞きってやつだ。しかも1ブロック先で徒歩1分半の距離だぞ。貸自転車の看板も出てるぞ。「こー行って、こう」の説明でどんな外国人だってたどり着けるじゃねえか。案の定おじさんはチップを要求してくる。意味がわからん。1CUC渡すと「頼むもう1枚頼む。プアなんだプアなんだ」と食い下がってくる。あーめんどくさ。2CUC渡してお引取り願う。
日本にいる時に調べた時、貸自転車は新市街でしか見つけられなかったが、きっとあちこちにあったりするんだろうな。まあ聞いてみるもんだ。ましてやインターネットが普及していない国なので、情報発信が疎らになるのもしょうがない。
しかし、新市街のRuta Bikeが1日8CUCなのに対し、この店は15CUCと来たもんだ。同業同士での価格競争も、情報が回らなければやりようもないし、まあはっきり言ってする必要もないということなのだろう。「高いよ」と言っても「んなこたない」で終わる。15CUCなのは初日だけで、2日目以降は10CUCだという。木金土日で5,000円強になる。交渉することなく借りる。
デポジットは?と聞くと、「あ、そうだった。50CUC!」と返ってくる。勘弁してくれ。最終日の晩にその大金が戻って来ても使いようがないじゃないか。免許証でもいいというので迷わず現物を渡す。日本だったら絶対できないなこれ。
暑い。熱い。地獄晴れだ。早くもTシャツは水びたし状態だし、日差しが肌を刺しまくる。不安を胸に旧市街散策の一日スタート。
そして10分もしないうちに断念。ジーパンは無理筋すぎた。
ホテルに戻り薄手のズボンに履きかえ、自転車もフロントに置かせてもらって徒歩で再出発。何も旧市街を自転車で回る必要もなかろう。
地図の上(つまり北)から下(つまり南)へ。裏通りをクネクネしながら途中で写真をパシャパシャ。ボデギータ・デ・メディオは時間が早すぎて開店していなかった。それからオビスポ通り。フロリディータとかアンボス・ムンドスとかは外から眺めておしまい。
前回通った時にフィデルの看板と一緒に記念撮影をしたのはちょっとした博物館だった。入場料は2CUC。中での撮影もオッケーだったのでパシャパシャ。ここで初めてCDRと言う言葉を覚えた。「Comité de Defensa de la Revolución」。ニホン語で言っちゃうと「革命防衛委員会」となるんだそう。大層なネーミングだが、このあと街を歩いてその看板を目にして、もっと軽く○○町内会的ニュアンスの解釈でいいんだろうな、という気になってきた。
1階を観終わるころに、女性スタッフが「2階はこっちよ」とエレベーターに乗せてくれ、そのまま一緒に回る。そういうシステムなのかと思ってたら、二人きりになりしばらくしてからまたチップを要求される。あーもう笑。1CUC。
店を出る時に右か左かよくわかんなくなっちゃって、地図を見せて「今どこだっけ?」と聞くと「オビスポ」としか答えてくれない。「それはわかってるけど、ここら?それともこっち?」とペンで指しながら聞いても、「う~ん、わからない」。
これはこのあと数回同じようなことが起きた。案外こっちの人って地図を見るって苦手なのかもね。日本でもそうなのかな。
まあ気を取り直して散策再開。フェリー乗り場のチェの壁画。前回も写真に撮っていたんだけど、これ、サン・ホセ民芸品市場(Almacenes San José Artisans Market)だとずっと勘違いしていた。けっこう記憶っていいかげんだなー。
キューバ通りの古レコード屋。壁一面にシングル盤が貼られてて、内装をしっかり店っぽくしているのにはちと感心。しかしあまりいい盤(というか内容問わずの見た目重視だったので、いいジャケット)には巡りあえずに撤退。1枚くらい買ってみればよかった。
同じ通りに古本屋もあった。ここでフィデルのポスター2本とマンガ3冊。値切って40CUCというとても高額の買い物。
ジムがあった。暗い室内を覗くと(ってかドア開放してるので丸見え)いくつか器具が置いてあり、確かにジムっぽい。でもなんか違うな~。なんだろうこの独特感。しびれるわー。さすがにみなさん一生懸命汗かいてるところで写真ははばかれるので、「見るだけだから」と入れてもらって数分見学させてもらう。若いアンチャンが「俺様がティーチャーよ」と壁に貼られている、数年前のなんとか大会の時の写真を誇らしげに指差す。おおっ。じゃあセンセの写真は撮ってもいい?と聞くと「3CUCなら」と答えてきたので「じゃあいい。ありがと!」と出てきた。
またしばらく歩くと少年ボクシング?の試合場?ちゃんと客席も設置されている。屋根はない。かっこいい!
女性スタッフらしき人に尋ねると「どーぞ見てってちょうだい」と。「フリーフリー」と。なんかいい感じだなー。中(青空だけど)ではリングの回りを少年たちがランニング。トレーナーらしきおじさんが声をかけている。みんなダラダラとしてるけど、ひたすら走ってる。これは間違いなく真面目にトレーニングをしている。とってもいい感じだなー。
おじさん、僕の存在に気づき「オラー!」とほほ笑む。「中国人?日本人?ああそう。見る?見て見て。写真?オッケーオッケー。ガッハッハッ。」いいなーいいなー。
気を良くして数枚写真を撮らせてもらって、どうもありがとう、と去ろうとすると、手招きされて、「見てくれこのリング。ボロボロだろ?○△$#&で*+◎×なんだよなー。わかる?だから、ドネーション、な?」やっぱこうなるのかー。
はいわかりました。じゃ、と1CUC渡すと「ノーノーノーノー!△&%*$!○~#!」めんどくせー。「いくらならオッケー?」と聞くと再び「△&%*$!○~#!」入口の女性スタッフに何か叫んで、あとはあっちと話せと。で、またおばちゃんと埒のあかない話の繰り返し。何度か目に「オレは1でもいいと思ってる。でもあなたは思ってない。だから幾ら欲しいのか言ってほしい」と言うと「それは気持ちなのよ(と言ったんだと思う。でも1じゃない)!5でも10でも20でも!」とようやく数字が返ってきたので5CUC渡して出てきた。
こういう文化を理解していないケチなニッポン人は本当にイケてないんだろうし、郷に入ってはってのも分かってはいるつもりだが、まあ正直めんどくせー。最初っから寄付金BOX置いといてくれ。見学料金と撮影料金と会話料金書いといてくれ。
どっと疲れる。誰かと会話をすると金の話になる。

あーやれやれ。気を取り直してあらためて観光。南下し、ホセ・マルティの生家(casa natal José Martí)を探しに行く。ここは有名なところなのですんなり到着、と思いきや、その瞬間に大粒の雨。急いでポンチョを取り出し被る。既に腕も濡れているのでビニール生地が肌にはりつき不快の絶頂。体も心も思いっきり疲れていることに気づき、ホセ・マルティの家はちらりと見ただけで意気消沈してなんとなくホテル方向へ向かって歩き始めてしまった。
雨はいったん収まってきてはいたものの、ホテルに一旦戻り横になる。窓がなく、基本的に真っ暗な部屋なので一瞬にして意識を失う。
30分ほど経っただろうか。雷と豪雨の音で目が覚める。無理せず帰ってきて正解だったみたい。そのまま2時間か3時間寝ていた。
20時頃起き出し、シャワーを浴びる。朝の方がお湯の出が良い。
とりあえず夕飯を食べに外に出る。で、さっそく声をかけられる。もう断るのもめんどくさいので「レストラン、レストラン!ゴー!」と案内させる。
連れていかれたのは『Compostela 157』というレストラン。そのまんまコンポステラ通りの157番地。メニューを見ると、料理にはいっさい値段が書いていない!おーまいがっ!時価ですか?寿司屋かよっ!ドリンク類は全て明瞭会計になっているけど、やっぱ料理は、あれなんですね。
ホストのフアンとその妹(名前忘れたけど可愛かった。22歳でサルサの先生をやっているってさ)にモヒートらしきものを1杯ずつ奢って(ヤツらはさっさと飲み干して出て行った)ビール2杯と地獄の量のフルセット料理。豚肉ステーキ(硬い)とサラダとバナナチップとライス。めいっぱい残した。しめて29.10cuc。うわーどれだけ贅沢してるんだ。日本でもこんなに払わないぞ。
もう二度と地元民に紹介はしてもらわないと心に誓った。
そばのテーブルの中国人男性二人組は、やたらと声のでかいおっさんにずっとまとわりつかれて3杯くらい奢らされている。それなりに楽しんではいるようだけど。店を出てからもずっと二人のあとを付いていってる。しかも片足がなくて杖を付きながらかなりのスピードで歩いている。タフだなー。
そんな三人組を横目に、僕は一人でアバナ・ビエハをナイトクルージング。でも腹いっぱいなので店には入らず、裏通りをクネクネ歩きながら、結局またホセ・マルティの家までやって来て、そこからまたクネクネ北上してホテルに戻りましたとさ。

初日にしてはまあまあでしょう。

空港は何度来ても(そんなに何度も来てないけど)怖いな。
緊張して心臓がバクバクする。チェックインするだけでもオタオタするし、喫煙所を探すだけでもオロオロするし、カレーライスを食べるだけでも腹がタプンタプンになる。
せっかく時間を合わせてゲートをくぐってから、搭乗が遅れるとなるとどう過ごしていいのか分からずに軽くパニック状態に陥る。
そもそも出発(離陸)時間の2時間とか3時間前に集まってくれよ、あとはそこで有意義なひと時を過ごしてくれよ、という設定なわけだから心にゆとりのある人間にならなくてはいけない。僕のようなせっかちの貧乏性ではいけない。
・・・というようなことを空港を訪れるたびに感じるのだが、未だ克服できていない。

今日は午前中に最後の持ち物チェックを行い、昼過ぎに完璧な状態で家を出たはずなのだが、あっさりiPhoneのイヤホンを忘れた。別にこんなもんなくても構わないのだが、せっかくニック・ロウ・プレイリストも作ったことだし、機内で映画を観る時も備え付けの物に較べると自前の方が遥かに音がいいのよね、というわけで最寄駅前のセブンイレブンで買ってみた。そしたらなんとヴォリュームコントロールの付いていない代物だったので、空港についてから再度買い直し。軽く自分に悪態をついてみる。
使用することのないイヤホンをずっとバッグの中に入れた状態で旅行をするという、非常にストレスフルなフィーリングを感じつつ、今は機内でニック・ロウを聴きながらフィーリング・グルーヴィーにこれを書いている。
ヒコーキってのは座席にUSB端子も付いてるのな。聴きながらどんどん充電が増えてるよ。すごいすごい。
カムチャツカ沖で聴く『Impossible Bird』、いいねぇ。こんなにじっくり聴くのは何年ぶりだろうか。曲順も頭に入ってるものだから軽く自分に感心してしまった。苦手意識があるようでもちゃんと口ずさめるもんなぁ。あの荘厳なコーラスとかは今でもしっかり苦手だけど。

エア・カナダ、日本~カナダ間は3列・4列・3列(A~J)という座席の並びで、僕はD。かつEとFが空席だったので、とてもラク(広く使える上に他人のトイレで席を立つ必要がない)だった。これだけでストレス度は全然違うよね。
ヒコーキ、予想以上に寒かった。ひざから下がキツイ。レッグウォーマーとかあってもいいくらいだった。
ウトウトして無理やり起きて食事、を3回ほど繰り返し、トロント着。
パスポートと税関カード?と乗り継ぎの搭乗券。(これ、備忘録)
2時間くらいある空き時間はラウンジでなんとなく備え付けのタブレットでネットとかして時間をつぶす。
カナダからキューバは3列・3列(A~F)のCでBは空席。マジありがたいわ。
3時間くらいだったかしら。ハバナ到着は22時半。
入国審査の列で30分近く並んだ。パスポートと入国カードを見せる。税関申告書は空港を出口で待ち構えている別の係員に渡す。
¥30,000をCUCに両替、一服してからタクシーでホテルへ。プラド通りのホテル・カリビアンまで30CUC。
タクシー運転手とのデタラメ英語同士での会話。意訳。
フィデルが死んでなにか変わった?「ん~・・・まあ、そう、ね・・・」
ちょっとだけ?「うん、そう。ちょっとだけ」
(革命広場が見えてきたところで)5月5日のメーダーはすごい(数の)人だったんでしょ?「あーすごかったすごかった!」
行った?「いや、仕事してた」
ラウルも来たんでしょ?見たかったなあ。「オレは、フィデルよりラウルの方が好き」
なんで?「う~ん、なんでかなぁ。大統領としては、ラウルの方がいいと思うね」
インテリヘンテな感じ?「そうそうそう、インテリヘンテだね」
フィデルが死んで国中悲しんだんじゃない?「確かにそうだったね。そう、フィデルはスペシャルな人ではあるよ。みんなそうだし、オレもアモールだ。LOVEだよ。フィデルは特別なんだ」
「はいよ、ホテル・カリビアン。そこのドアが入口だ。ありがとな。」
ホテルに着いたのが23時半すぎ。ビール(Cristal)2杯と信じられない不味さのサンドウィッチで6CUC。朝食は7時から10時の間、フロントに併設されたカフェで。
0時半、寝る。明日は6時半くらいに起きてみたい。

去年の1月に初めてキューバに行った時にお世話になったYと呑み。
1年半ぶりに会う彼女は相変わらず聡明でしびれました。
今度の旅行のあれこれを聞いてもらい、楽しみだなーわーいって言ってるだけであっという間に時間が過ぎてしまいました。
おかげさまで余計楽しみになってきた。ありがとぅー。


タミを100年ぶりに風呂に入れた。
案の定、発狂していた。
でもまあ、ちょっとはフケが出なくなっただろうから、よかったでしょう。多分。
そのあとずっと怒ってる感じだけど。

午後、新宿でバッグ買い。
残念ながらキャビンゼロは2軒ほど回ったが結局現物を確認出来ず。ネットに載っている在庫情報が古いものだったみたい。あと1軒、と思いつつもうめんどくせーのであっさりモンベルに決定。金額が倍になってしまうけど、まあしょうがない。デザインも、ちとアレだけどまあいいでしょう。と言いつつもやっぱりバッグフェチとしてはワクワクを隠し切れず、「あ、すぐ使って行きます!」とタグを切ってもらって手持ちの荷物をボンと突っ込み、(多分)ニヤニヤしながら店を出た。

夜はA氏とボデギータ呑み。
先日のライヴで身の程を思い知ったので、今日はスチルカメラを持参して、設定の仕方を一から教わる。マニュアル読んでも何が何だかわからなかったのに、彼の説明を聞いてると、なんだかイケルような気になってきたよ!流石プロ!
その後はもちろんキューバトーク。
グーグルマップを位置をずらしずらし20回以上プリントアウトし、セロテープで貼り合わせた力作・特製・特大ハバナ地図をテーブルに広げ、いわゆる観光名所じゃない名所を教えてもらう。
1時間ほど話していると、シローさんが帰ってきた(って言わねえか)のでそのまま参加してもらって更に素敵スポットを教えてもらって地図にカキコカキコ。
こういう時、やっぱり紙の地図が最強なのである。流石俺様。
話が乗ってきたところで『Soy Cuba』のDVDをモニターで流し、「これは、この辺だね!」とロケ地情報。どんどん地図上のマーカーが増えていく。これ全部行けるのか?どれだけ歩くんだ。
基本的に、今回は腰が許す限り歩きたい。タクシーもバスも乗るのは楽しいのだろうけど、ひたすら「なんでもない」道を歩きたいのだ。
あくまで腰が許す限り、なのだが、それよりもっと危険なのがビール。どこまで呑まずにいられるのか。それが今から不安でならない。
なので今日めいっぱい呑んでおく。
ちなみにお店では別口でスペイン語講座?が行われていて、けっこう我々(&DVD)が騒がしくて迷惑をかけていたように(今頃になって)思う。今更ですけどすみませんでした。
22時解散。
メルシー、デザミ。

バロンと世界一周楽団 @ 吉祥寺曼荼羅Ⅱ。
『Cu-Bop』の高橋監督の話に刺激を受け、かつキューバ行きの荷物を減らすため、今日はスチルカメラでの動画撮影に初挑戦。今まで真面目に考えたこともなかったので、外付けマイクもなく、とりあえず内臓マイクでどんなものか、失敗前提で撮ってみることにした。
まずは昼の部にウクレレメイトのロビンちゃんと観戦。申し込むのが激遅で立ち見だったので、軽く静止画を数枚。
そのあとロビンちゃんとコーヒー&駄弁りで時間をつぶす。また色々愚痴ってしまった。すまん。
解散後、一人でアウトドア屋巡りをして機内持ち込み可能のバックパック探し。数軒回ってみたけど、目当てのキャビンゼロ44ℓは残念ながら見当たらず。その代り、モンベル(って読むということを初めて知った。ずっとモントベルなのかと思ってたわ)45ℓというものを発見。値段も重量もキャビンゼロには劣るが、イメージとしてはこれでオッケー。ショルダーストラップのパットが比較的しっかりしていそうで、横にして肩がけも出来るというのになんとなく惹かれる。
なんてことをしていたらすっかりいい時間になっちゃったので再び曼荼羅Ⅱへ。
昼の部の立ちっぱなし、そのあとの歩き回りで腰痛悪化、それにともない気持ちダウン。いわゆるウツ&ヨウツー状態で開場待ちの時間がツライツライ。もう帰ろっかなーもういいかなーっなんてずっと考えてた。
そして開場してから一時間。必死にテンションアップをはかる。我ながらもういーかげんにしてって感じだ。
もちろん始まっちゃうとそれどころでなく、必死。とにかく必死。
ヴィデオカメラの時も、あまり意味がわからず感覚でいじって好みの質感に持って行っているだけなので、スチルでの設定を同程度(少なくとも自分の好みに合わせる程度)にするなんて論外。しかも普段はモニターで(顔から離して)撮っているけど、今度はそうもいかない。静止画でピントが緩いと使い物にならないのでずっとファインダーを覗いている。となると撮れる角度が限られる。ましてや腰痛いし。
更に言うと、ズームなんて夢の夢。あれって、右手でしっかりホールドしてるから左手で回せるのね。でもムービーと違ってスチルカメラって、右手のホールドがどうしても弱くなっちゃう。そこでズームを変えちゃうとあっという間に画面がブレる。
いやいや、これでどうやって動画なんて撮れるの?
実際、『Cu-Bop』では気付いた限りではズームを使っていなかった。
で、帰宅後さっそくずうずうしくも監督に質問してみた。
そしたら、「僕はズーム使いません。キライなので。もっぱら単焦点です。」ぐわーん。
さらに使っていた機種を聞くと、あ、これじゃ無理だね確かに。ってことがしっかりくっきり分かりました。動画には動画用のカメラを使うべきなんだね。
やっぱこれはアレだ。写真を撮るためのキカイなんだわ。
でももう今更カメラを二つ持っていくという選択肢はないので(多分初日で腰が破壊されると思う)、意地でもこの一台で行きます。そもそも動画を誰に見せるわけでもないしな。

とまあそんなわけで、心身ともにボロボロになってそそくさと吉祥寺をあとにしました。
バロンと世界一周楽団のみなさん、実験に使わせてもらってすみませんでした。
ちなみにライヴはサイコーでした。
バロンのソングライティングが、前作より更に深化していっている印象(まだアルバム聴いてないけど)。そしてそれをどこまでも広げていける演奏。ああ、だから世界一周なんだ。
すげえバンドだよ。
それから、八木橋さんがハムバッキングのテレキャスってのにちびりました。実際それが活かされる、というか必然である曲がいくつかあって、そんなところからも、ああ本当に広がっているんだなぁって痛感した次第。

photo (facebook)

いまいち、はっきりくっきりとした決心がついていなかったのだが、先日『Cu-Bop』(とカントクの話)から受けた刺激を無駄にしたくない、との思いで、ゴーインに今日(正確には多分昨日)決めた。
午後(それでもぐずぐずしてて予定より2時間くらい家を出るのが遅れたが)、青山のトラベル・ボデギータへ。
史郎さんに「これくらいの日程でこんな感じの・・・」と話すと、「よしわかった!」と一気にヒコーキを予約してくれ、あれよあれよと確定してしまった。うわー。
というわけでキューバはハバナに行ってきます。思いっきりフリーで観光してきます。
今年中には必ず、とか思っていた。しかも元々何も関係なくキューバが好きだったはずなのに、あれこれあってなんだかフィルターを通してのキューバになってしまって、しかもなんだか昨今のあれこれがあり、もうどう考えてんのオレ、みたいになっちゃって、なんで行きたいのか、今はただの意地なのかとか余計あれこれ考えて悶々としてしまっていた。
もちろんカンケーないんだけどね。でも一回そういうネガティヴ思考の沼に入りこんじゃうと自分のそもそもの感覚が分かんなくなっちゃうのよね。
だからそういうモヤモヤとかどーでもいーじゃん、って感じられるキッカケを作ってくれた『Cu-Bop』(というかホント、高橋さん)にはマジ感謝なんだよね。グラシアス。

夜、上福岡へ。
駅前のファミリーレストランで(僕、朝食だったので)つぐおみとビール&トーク。
思い出話や音楽話、はては昨今のゆがんだ社会の話。尽きない。
19時から始めて、終わったのは0時だった。
また行こう。

深夜、実家へ。
母親もまだ起きていた。もうすぐ寝ようと思っていたけど、「あら、ビール切らしちゃってるのよねー」とクルマで買って来てくれた。「いやいや、あ、じゃ、ありがと」となんとなくしっかり断らずに甘えてしまうのは末っ子だからです。
旅行話やコイバナ、そして父親のはじけた若かりし頃の裏話。そろそろ疲れてきた。
0時から始めて、終わったのは4時だった。
もう寝よう。

池袋のKing Rumというラム酒専門バーにて、『Cu-Bop』の上映イベント。
12名限定ということで、ギュウギュウ感が心配だったけど、席の間隔自体はまあ普通のバーだった(って当たり前か)のでほっとした。
とは言っても店の備え付けのTVモニターに映すので、観易さは席によって圧倒的に違う。少なくとも僕の視力では後ろの方だと確実に字幕を読めなかっただろう。早めに着いて大正解だった。
しばらく客は僕一人だったので、高橋監督や店のマスター原田さんとの駄弁り時間を持たせてもらって、これがまた有意義なひと時だった。地方や海外上映時の爆笑プライベートエピソードや、別の仕事で行った南米の国の笑えないギャグエピソードは、なかなか僕の日常では想像もつかない世界で、早くも満足感を得られてしまった。
20時過ぎから上映(再生)開始。
「なんだか不思議な映画」といった感想を以前耳にしていて、不安も若干なかったわけでもないが、それは完全に杞憂に終わった。観終わった時の満足感は相当なものだった。
補足説明が一切ない作品なので、最初は全体像やそれぞれの関係性がなかなか掴みにくいけれど、映像素材だけで紡いでいくこのスタイルが僕はドキュメンタリーとしては一番好き。頭と忍耐力をフル回転させて、点が線に変わってきてから一気に画面に吸い込まれていく感覚がとても快感なのだ。
実際に観るまでは考えてもみなかったけれど、一番観ながら考えていたのはカメラワークだった(やっぱりそこかい!)。
上映後の質疑応答(あの場ではもっともふさわしくない表現)で、他のお客さんに申し訳ないなと思いつつも、監督もガンガン答えてくれるもんだから、ついついそういうことばかりガンガン質問を連打してしまって、まあはっきりいって大満足。

○通常シーンでは1カメだが、ライヴシーンでは3カメになっていた。現地調達?
●日本からスタッフを連れて行った。ちなみに彼らの移動は自腹。
○3台の映像の質感が全て同じように感じられたが編集で加工したのか。
●違和感が出ないよう自分のカメラと揃えた。一つはまったく同じ型、もう一つはほぼ同型のグレード違い。メーカーからのレンタルだったのでなかなかの出費だった。
○アクセルのピアノ演奏で、下手アングルの監督のカメラが左手側から始めて、途中で右手側に移動する。最初から右手側から撮りたくなると思うが、なぜ左側から始めたのか。(結果的に両サイドからの絵が観れたのでとてもライヴ映像として楽しめたのだが)
●ドラムのシンバルが外れるトラブルが起き(実際に写っている)、それを俯瞰した絵が欲しかったため、左側から始めた。直したあとに右側に移動している。
○終盤、アクセルがハーレムでハバナでのライヴ映像をパソコンで観ているシーンがあるが、あの映像は既に編集が施されていた。時間差があるのか。
●荒編のものを2か月後くらいに持って行った。
○映像の色合いがとても独特だった。編集時の加工なのか。
●一眼動画で撮ったものだからだと思う。編集時に一定の色加工はしているが、その質感を狙って一眼カメラを選んだ。ハーレムでは大きすぎる(目につきやすい)ので業務用の小さなハンディカムを使った。場所が変わって質感が変わるのはそのせい。結果的にいい効果が得られたと思う。

・・・とかそんなどうでもいい(でも大事)質問をしていたような気がする。もうちょっと聞いたような気もするけどラムで酔っぱらってた。
監督は、この一つ一つに対してその時のおもしろエピソードも交え、とても真剣に答えてくれ、そしてもちろん他のお客さんからの質問も興味深く、そこからまた深い話が聞けたりして、とてもいいディスカッションだったように思う。

5月5日のSSUOの映像を、当日の打ち上げでふと思いついて編集をしてみて、準備計画を立てない撮影の危険さを今更思い知った僕にはとてもタイムリーでこの上なく刺激的で勉強になる作品と時間だった。マジありがたや。
たった今観終わったばかりだったのにDVD買っちゃったもん。また研究してみる!

帰り、あまりに腹が減ってラーメンを喰らってしまった。タプンタプンで気持ちが悪い。
心、入れ替える。

キューバ大使館がらみのセミナーに参加してみた。
まあそれほど期待できるものではないだろうと思いながらの参加だったけど、予想を遥かに超えるつまらなさだった。
いったい誰に向けての催しだったのかなぁ。最後に質疑応答があって、質問は一様にキューバ旅行に行く人たちがアドバイスを求めるというものだった。しかし一つとして具体的に答えず、曖昧で一般論としてのうすっぺらな答えに終始していた。
ほとんどやること自体が目的化してしまっていて、「キューバにはこんな魅力があります」っていうことがいいたいだけ。でもその「こんな」がキャッチフレーズを当て込むだけで終わっちゃう。「ネイチャー」とか「アドヴェンチャー」とか。
旅行会社じゃないんだからそりゃ細かいことは言えないにしても、キューバ観光をテーマにしたセミナーだったはず。そんな言葉の羅列で実際に観光者の食指が動くと本気で考えているのかね。その一歩でも二歩でも先を聞きたい人が今日ここに集まっているはずなんだけどなぁ。
不完全燃焼どころじゃない、水に漬けたマッチをこすってるような気分。
キューバがキューバを盛り上げないでどうするよ。シモキタのイベント見習えってんだ。

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