6時半目覚まし、7時過ぎ起床。
シャワーは充分暖かく無問題だったが、シャワーヘッドがなく、蛇口からドバドバお湯が落ちてくる。かなり高い位置に固定(というより壁から管が出ている状態)されていて、正直、痛い。まあ、いい。
朝食は卵2個分のスクランブルエッグと食パン一枚。フルーツは自由。コーヒーは、ぬるい。まあ、いい。
9時出発。
フロントで水のペットボトルを買い(1CUC)、旧市街でのレンタル自転車やの有無を尋ねると、しばらく待たされたのち、無言でホテルの外に連れ出され、玄関先で佇んでいた初老のおじさんにスペイン語で道を伝えたのち、「この男に付いていくように」と言い残してホテルに戻っていった。
なんだよこのシステム。このおじさん、さっきからずっと中をチラリチラリ覗き込んでたんだよね。御用聞きってやつだ。しかも1ブロック先で徒歩1分半の距離だぞ。貸自転車の看板も出てるぞ。「こー行って、こう」の説明でどんな外国人だってたどり着けるじゃねえか。案の定おじさんはチップを要求してくる。意味がわからん。1CUC渡すと「頼むもう1枚頼む。プアなんだプアなんだ」と食い下がってくる。あーめんどくさ。2CUC渡してお引取り願う。
日本にいる時に調べた時、貸自転車は新市街でしか見つけられなかったが、きっとあちこちにあったりするんだろうな。まあ聞いてみるもんだ。ましてやインターネットが普及していない国なので、情報発信が疎らになるのもしょうがない。
しかし、新市街のRuta Bikeが1日8CUCなのに対し、この店は15CUCと来たもんだ。同業同士での価格競争も、情報が回らなければやりようもないし、まあはっきり言ってする必要もないということなのだろう。「高いよ」と言っても「んなこたない」で終わる。15CUCなのは初日だけで、2日目以降は10CUCだという。木金土日で5,000円強になる。交渉することなく借りる。
デポジットは?と聞くと、「あ、そうだった。50CUC!」と返ってくる。勘弁してくれ。最終日の晩にその大金が戻って来ても使いようがないじゃないか。免許証でもいいというので迷わず現物を渡す。日本だったら絶対できないなこれ。
暑い。熱い。地獄晴れだ。早くもTシャツは水びたし状態だし、日差しが肌を刺しまくる。不安を胸に旧市街散策の一日スタート。
そして10分もしないうちに断念。ジーパンは無理筋すぎた。
ホテルに戻り薄手のズボンに履きかえ、自転車もフロントに置かせてもらって徒歩で再出発。何も旧市街を自転車で回る必要もなかろう。
地図の上(つまり北)から下(つまり南)へ。裏通りをクネクネしながら途中で写真をパシャパシャ。ボデギータ・デ・メディオは時間が早すぎて開店していなかった。それからオビスポ通り。フロリディータとかアンボス・ムンドスとかは外から眺めておしまい。
前回通った時にフィデルの看板と一緒に記念撮影をしたのはちょっとした博物館だった。入場料は2CUC。中での撮影もオッケーだったのでパシャパシャ。ここで初めてCDRと言う言葉を覚えた。「Comité de Defensa de la Revolución」。ニホン語で言っちゃうと「革命防衛委員会」となるんだそう。大層なネーミングだが、このあと街を歩いてその看板を目にして、もっと軽く○○町内会的ニュアンスの解釈でいいんだろうな、という気になってきた。
1階を観終わるころに、女性スタッフが「2階はこっちよ」とエレベーターに乗せてくれ、そのまま一緒に回る。そういうシステムなのかと思ってたら、二人きりになりしばらくしてからまたチップを要求される。あーもう笑。1CUC。
店を出る時に右か左かよくわかんなくなっちゃって、地図を見せて「今どこだっけ?」と聞くと「オビスポ」としか答えてくれない。「それはわかってるけど、ここら?それともこっち?」とペンで指しながら聞いても、「う~ん、わからない」。
これはこのあと数回同じようなことが起きた。案外こっちの人って地図を見るって苦手なのかもね。日本でもそうなのかな。
まあ気を取り直して散策再開。フェリー乗り場のチェの壁画。前回も写真に撮っていたんだけど、これ、サン・ホセ民芸品市場(Almacenes San José Artisans Market)だとずっと勘違いしていた。けっこう記憶っていいかげんだなー。
キューバ通りの古レコード屋。壁一面にシングル盤が貼られてて、内装をしっかり店っぽくしているのにはちと感心。しかしあまりいい盤(というか内容問わずの見た目重視だったので、いいジャケット)には巡りあえずに撤退。1枚くらい買ってみればよかった。
同じ通りに古本屋もあった。ここでフィデルのポスター2本とマンガ3冊。値切って40CUCというとても高額の買い物。
ジムがあった。暗い室内を覗くと(ってかドア開放してるので丸見え)いくつか器具が置いてあり、確かにジムっぽい。でもなんか違うな~。なんだろうこの独特感。しびれるわー。さすがにみなさん一生懸命汗かいてるところで写真ははばかれるので、「見るだけだから」と入れてもらって数分見学させてもらう。若いアンチャンが「俺様がティーチャーよ」と壁に貼られている、数年前のなんとか大会の時の写真を誇らしげに指差す。おおっ。じゃあセンセの写真は撮ってもいい?と聞くと「3CUCなら」と答えてきたので「じゃあいい。ありがと!」と出てきた。
またしばらく歩くと少年ボクシング?の試合場?ちゃんと客席も設置されている。屋根はない。かっこいい!
女性スタッフらしき人に尋ねると「どーぞ見てってちょうだい」と。「フリーフリー」と。なんかいい感じだなー。中(青空だけど)ではリングの回りを少年たちがランニング。トレーナーらしきおじさんが声をかけている。みんなダラダラとしてるけど、ひたすら走ってる。これは間違いなく真面目にトレーニングをしている。とってもいい感じだなー。
おじさん、僕の存在に気づき「オラー!」とほほ笑む。「中国人?日本人?ああそう。見る?見て見て。写真?オッケーオッケー。ガッハッハッ。」いいなーいいなー。
気を良くして数枚写真を撮らせてもらって、どうもありがとう、と去ろうとすると、手招きされて、「見てくれこのリング。ボロボロだろ?○△$#&で*+◎×なんだよなー。わかる?だから、ドネーション、な?」やっぱこうなるのかー。
はいわかりました。じゃ、と1CUC渡すと「ノーノーノーノー!△&%*$!○~#!」めんどくせー。「いくらならオッケー?」と聞くと再び「△&%*$!○~#!」入口の女性スタッフに何か叫んで、あとはあっちと話せと。で、またおばちゃんと埒のあかない話の繰り返し。何度か目に「オレは1でもいいと思ってる。でもあなたは思ってない。だから幾ら欲しいのか言ってほしい」と言うと「それは気持ちなのよ(と言ったんだと思う。でも1じゃない)!5でも10でも20でも!」とようやく数字が返ってきたので5CUC渡して出てきた。
こういう文化を理解していないケチなニッポン人は本当にイケてないんだろうし、郷に入ってはってのも分かってはいるつもりだが、まあ正直めんどくせー。最初っから寄付金BOX置いといてくれ。見学料金と撮影料金と会話料金書いといてくれ。
どっと疲れる。誰かと会話をすると金の話になる。

あーやれやれ。気を取り直してあらためて観光。南下し、ホセ・マルティの生家(casa natal José Martí)を探しに行く。ここは有名なところなのですんなり到着、と思いきや、その瞬間に大粒の雨。急いでポンチョを取り出し被る。既に腕も濡れているのでビニール生地が肌にはりつき不快の絶頂。体も心も思いっきり疲れていることに気づき、ホセ・マルティの家はちらりと見ただけで意気消沈してなんとなくホテル方向へ向かって歩き始めてしまった。
雨はいったん収まってきてはいたものの、ホテルに一旦戻り横になる。窓がなく、基本的に真っ暗な部屋なので一瞬にして意識を失う。
30分ほど経っただろうか。雷と豪雨の音で目が覚める。無理せず帰ってきて正解だったみたい。そのまま2時間か3時間寝ていた。
20時頃起き出し、シャワーを浴びる。朝の方がお湯の出が良い。
とりあえず夕飯を食べに外に出る。で、さっそく声をかけられる。もう断るのもめんどくさいので「レストラン、レストラン!ゴー!」と案内させる。
連れていかれたのは『Compostela 157』というレストラン。そのまんまコンポステラ通りの157番地。メニューを見ると、料理にはいっさい値段が書いていない!おーまいがっ!時価ですか?寿司屋かよっ!ドリンク類は全て明瞭会計になっているけど、やっぱ料理は、あれなんですね。
ホストのフアンとその妹(名前忘れたけど可愛かった。22歳でサルサの先生をやっているってさ)にモヒートらしきものを1杯ずつ奢って(ヤツらはさっさと飲み干して出て行った)ビール2杯と地獄の量のフルセット料理。豚肉ステーキ(硬い)とサラダとバナナチップとライス。めいっぱい残した。しめて29.10cuc。うわーどれだけ贅沢してるんだ。日本でもこんなに払わないぞ。
もう二度と地元民に紹介はしてもらわないと心に誓った。
そばのテーブルの中国人男性二人組は、やたらと声のでかいおっさんにずっとまとわりつかれて3杯くらい奢らされている。それなりに楽しんではいるようだけど。店を出てからもずっと二人のあとを付いていってる。しかも片足がなくて杖を付きながらかなりのスピードで歩いている。タフだなー。
そんな三人組を横目に、僕は一人でアバナ・ビエハをナイトクルージング。でも腹いっぱいなので店には入らず、裏通りをクネクネ歩きながら、結局またホセ・マルティの家までやって来て、そこからまたクネクネ北上してホテルに戻りましたとさ。

初日にしてはまあまあでしょう。

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