イングランド三日目。
相変わらず昼間は予定なし。相変わらず目覚めの部屋には窓もなし。
まあとりあえず出てみた。と思ったら雨が降っていた。だから窓がないってつらいねん。一旦部屋に戻って傘(エノッキー&ジュンちゃん傘。役に立ってる〜!)を取って改めて出発。
まずは明日のHolmfirth行きへ向けてコーチ・ステーションの場所下見。朝早いから、バス停から少しでも近いホテルを、とこのEasy Hotelを予約したのだ。窓なしだったけど。実際5分程度の距離だったけど、見といてよかった。通りの反対側なのかと思ってたし、あの掲示板で番号を確かめてあそこで待ってるとバスが来るから乗り込んで・・・となんとなくイメージできた。多分朝イチぶっつけ本番だったら舞い上がっていたはず。
これで日中のノルマ完了。もうやることないし、なんたって雨なので遠出もしたくない。そんなわけでホテルとコーチ・ステーションの間のパブで食事。もうメニューを考えるのもめんどくさいので、ビールとフィッシュ&チップス。
なんで本場のフィッシュ&チップスはこんなに不味いのかね、と常々不思議だったけど、衣だね問題は。はっきり分かった。衣を全部はがしてハダカにしてみたら普通に魚になって美味かった。そんなふうにすっきりしたところで外のテラス(寒かった。雨にビールだし)でタバコをふかしながら昨日のやりかけの絵を仕上げる。
現実の三次元の世界を絵にするのはあんなに難しいのに、奥行きのない平面の写真を題材にした途端とても簡単になっちゃうものなのですね。写真になっているおかげで、奥行きを平面で表す答えがもうそこに出てるし、なんといってもフレームがあるので必要以上の情景が回りから入ってこない。なーんだ、こういうことなのか。絵描き気分が味わいたければまず写真に撮っちゃえばいいんだね。モノホンのナマモンが描けるようになったら絵描きを名乗ればいいということだね。なーんだ。
そんなわけで瞬く間に仕上げ、既に酔っ払ったのでホテルに戻って仮眠。
夕方再出発。ヴィクトリア駅のアウトドアショップで小さなウエストポーチ購入。2種類しかなく軽く残念な買い物。でも明日はホテルからライヴ会場までは近いので、リュックを担いで行きたくない。なのでしょうがない買い物。なんで日本で愛用のウエストポーチを持って来なかったんだろう。単にバカだからか。まあいい。
なんとか線となんとか線を乗り継いでウォータールー駅へ。天井からぶら下がった四つの時計のところ。ここは中々有名な待ち合わせスポットなんだって。しかしまたしても早く着きすぎてしまった。スターバックスでコーヒー買って、ベンチでボケーっ。そしてうとうと。
そして定刻数分前。クリスがやって来た。
2001年から2002年にかけて約7ヶ月間、僕のインターン先のボスであり、同居人であり、保護者であり、一番の友達であったクリスが登場。「今回はロンドンには行くけどそっち(デヴォン。えらい遠い)まで行ってる時間がないんだ、7日一日じゃ日帰り出来ないもんねーっ」てメールしたら、「じゃオレ行ってやるよ。晩に呑もう」って軽く返してくれた。電車で3時間くらい。今日来て明日の早朝帰るってさ。わーお。
クリスは僕の4つ上。日にちは忘れたけど来週48になるって。とても不思議なもので、僕にとって彼の英語は断トツで分かりやすい。アクセントの問題ではなく(当時の近所の人達とは会話にならなかった)、何度も聞き返したりすることもあるけれど、最終的にちゃんと理解出来ている(気にさせられる)。恐らく僕用にゆっくり話してくれたり、使う単語を考えながら話してくれているのだろうけど、トピックを限定したりはしない。共通のネタである音楽に限らず、彼の趣味であるウォーキングやラリー、もちろん仕事、時には政治(二人とも「Left Winger」なので)にも話は及ぶ。そして最終的に(なんとなくの)相互理解にまで達する(多分)。これは現状の僕の英語力ではクリスとでしか達成出来ない偉業なのである。
今回は思い出話が中心だったけれど、勿論3.11の話もした。イギリスではもう完全に終わったことになってる、報道はほとんどない。多分色々食べ物の輸入制限はあるのだろうけど、実際にオレ達のところまでその話が来ることはない。まあそんな積極的に調べてるわけでもないしね。とのことでした(多分)。勿論終わったことになっているのは日本でも同様だし、少なくとも原発保持国が騒いでしまっては自らの首を絞めることになってしまう。1985年の時のように、社会主義国の事故だったら「ほれみたことか」なんて言えるんだろうけど。
日本に行ってみたいとは思ってるんだけどね〜と言うものだから、「今が過去よりも未来よりも一番安全だよ」と勧めたら、なんとも言えない表情で苦笑いしていた。
会社の経営はまあなんとかやっているらしい。デカい話が転がり込んで来て、新しいマシーンを買ったはいいが、結局話が宙ぶらりんでなくなってしまったとか。億に近い資産を抱えて(借金はないけど)埃かぶってるよ。マイッタマイッタ。ぎゃっはっはっ。って軽すぎる。さりげなさすぎる。どっかの国だったら失踪してるか首吊ってるかってネタにもなり得るぞ。
そういやトット、ずっとお前の使ってた部屋が空いてたんだけどさ、去年の年末からタイ人が住んでるよ。うん勿論ウチのスタッフ。・・・おお来ましたかとうとう!いつか僕の後釜を、なんて話を9年前にもした記憶があるけれど、とうとう決断しましたか!どういう経緯でその彼が入社したのかは分からないけど、それはとても嬉しい話。だってクリスにそういう発想を持たせるキッカケなったのが僕を雇い入れた7ヶ月間なのだから。アタシの部屋が取られちゃったってのはちょっぴり寂しいけれどグスン。
気付いたら5杯目くらい。2001年の年末にサイダーバーで酔っ払って初めて吐いてさーなんていうネタ用に、最後にサイダー頼んだらホントにポカーンってなっちゃった。
よし帰ろう。
グデングデンの僕を、チューブでヴィクトリアまで送ってくれ、ダイジョブか?明日起きれるか?電話してやろうか?なんて心配しながら、酒豪のクリスは意気揚々と去って行きました。
ありがとう。
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通勤ピークを過ぎたあたりの時間で出発。
日暮里からスカイライナーに乗り換えるあたりでドキドキワクワク。そして成田でやっぱりテンパる。空港はなんだか怖くてイヤだよ。
飛行機の席は二人席の通路側。通路側だからいいけど、基本は真ん中のブロックの端が好き。しかもトイレの前。並ばなくていいからラクだけど、毎分毎分、「シャゴー!」って音から背後からして怖い。食事の後なんか常に誰かがすぐ横に立っているのでそれもまた怖い。そういえば今晩会おうという話になっていたはずのポールから連絡がない。さてどうする。眠れない。狭い。うるさい。落ち着かない。
チューリッフで乗換。ゲートがよく分からなくて「え〜っとぉ」と考えていたら、「早くいらっしゃい(多分)!」と呼ばれる。あーここなんだーと呑気にパスポートを出したら「何日滞在するの?目的は?」と来たもんだ。「え?いや、飛行機、チェンジ、オンリー。ゴートゥー、ロンドン・・・」「はぁ〜?なんでここにいるの?あっちよ!」と入国審査マダムに叱られる。時間がない!と焦ってゲートをくぐったら飛行機遅れてて30分ぽかーん。
でなんとなくヒースロー到着。現地18時。もう何もかも忘れてる。いちいちいちいち人に聞いて、結果バスもチューブもめんどくさいのでブルジョアにヒースロー・エクスプレスを選ぶ。この時点で返信のないポールはスルーされたってことで、でも初夜が一人はツマンネーナーと思って在住の日本人の知り合い(つっても生涯2回しか会った事ない)に連絡してみるも都合つかずアウト。ショボーンとヴィクトリアのホテルへ向かう。
結局都合つかなくて良かった。屁みたいな部屋で脱力したのも束の間、しっかり寝てた。
0時くらいに目が覚め、マクドナルドもパブも閉まってる。近所のコンビニで買った泣きたくなるサンドウィッチと水で夕食。
あーつかれた。
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朝食をOxford St.のカフェで3人で。これまた感動的なことに、2年前に1人で道に迷って途方に暮れてた時に食事した店だった。
その後、兄者は映画に(この人は毎日観に行ってる。最低週4本は観てるだろう)。僕とYさんはショッピングに。Paul Smithの店なんぞに入って雰囲気を楽しむ。日本じゃ絶対考えられねえ。
3日から3人で行く小旅行のチケット、僕だけ購入していないのでPaddington駅へ付き合ってもらう。阿呆がパスポートを持っていなくって、しかもトラヴェラーズ・チェックで購入したかったので今日は予約のみ。明日もう1回くる羽目になった。
Yさんとも別れて地球の歩き方片手にプラプラするも、10分ほどでもう迷ってしまった。僕の方向オンチは世界に誇れると思う。東京でもよく迷うからロンドンで迷うのはむしろ当然なのだ。涙。

合鍵を貰ったので今日は2人の帰りを気にすることなく(つまり電話をかける必要もなく)自分のペースで帰れるのでとてもラクチン。レコード屋や本屋を回り、途中パブで燃料補給しつつ、のんびり帰宅。
そして3人揃ってまたしても外出。
今日はPat McGarveyの新バンド、Santo El Diabloを観る。

Bricklane Market にあるライヴ・スペース、93 Feet East。ラウンジでBGMに肩を揺らせながら楽しく飲むも良し、裏庭でのんびり飲むも良し、ライヴを観ながら絶叫して飲むも良し。なかなかロンドンチックで、結構ざます。リハを終えたメンバー達は2番目を選択していた。「一緒に呑もうぜぃ。」と誘ってくれるのはありがたいが、我々は空腹の絶頂だったので丁重にお断りして飯屋に向かった。
この辺はカレー屋が多い。アラブ系の人達もいっぱい。日本人慣れした客引きに引っ張られるがままに、一軒のカレー屋で適当に美味しいカレーとビールをいただく。
まずはおつまみとお飲み物でごゆっくり、というコッチの発想、どうにも馴染めない。さっさと出せ!と。そこで無駄口叩いてんな!と。何言っても無駄だね。3種類のカレーを3人でつまみながら適当な話をしていると、もうあっという間にパットの出番の時間になってしまった。急いで(僕だけね。あとの二人はめんどくさそうだったね)会場に。

続きはサイトの方で。
tag : patmcgarvey coalporters

夕方、ヒースロー到着。
ロンドンに長期滞在中の兄者に連絡をとると、今日は地下鉄のストになりそうだから夜は出かけられないかも、とか。
地下鉄路線図で見ると右上のゾーン2に位置するManor Houseに住んでいる兄者。今日行きたいのは左下のゾーン1のPutney。帰りがキツそうなので泊まりにいくのはヤメた。同じく左下、かつヒースローからけっこう近くのEarl’s Courtにした。なんだかんだと、ロンドンに来るたんびにここに泊まっている。今回はいつものユース・ホステルじゃなくって、もっと汚い、言ってしまえば糞ダメのような宿。£15だから、まあこのシーズンで考えれば安いだろう。
荷物を置いて、さっさと準備して、いざ、Half Moon Putneyへ。
2年前の7月アタマくらいにも、ここに来ている。非常に非常に思い出深い所なのである。
詳しくは、今週中にアップしましょう。

とにかく、

Ukulele Orchestra of Great Britain

いいバンドだ。

今回のスケジュールは、忙しいといえば忙しい。ノンビリといえば超ノンビリ。
6/29にロンドン着。そのままウクレレ・オーケストラのギグ。
6/30はこの旅行のメイン。ロング・ライダーズのギグ。
7/1はコール・ポーターズのバンジョー・プレイヤー、パット・マガーヴィー率いるサント・エル・ディアブロのギグ。
7/3にはリトル・ハンプトンまで足を伸ばしてベン・ウォーターズのギグ。
それから多分一気にランズ・エンドまで行ってしまって野外ステージで『お気に召すまま』なんぞを観劇!!これはたまたま時期的にイギリスで一緒になる兄貴とその彼女との計画。
そこから2人はロンドンへ。僕は途中で別れて昔の職場のあるニュートン・アボットへ。EXボスの家に1週間ほど居候しながらテキトーに仕事を手伝ってテキトーに毎晩呑む。
7/13あたりにはロンドンに戻る。
そして締めは7/15のウィルコのギグ。
一服してから7/17にロンドンを発つ、と。

でもまだ、1ヶ月以上も先なのね。
tag : ukuleleorchestra coalporters sidgriffin longryders santoeldiablo patmcgarvey benwaters

with Testcard
みなさん、元気ですかぁ。日本でもそろそろ正月ノンビリ気分を切り替えなきゃいけないくらいの時期になってきたでしょ。ざまあみろ。
そういえば、ロンドンにいってまいりました。ライヴを観に、土日で1泊2日。
そこで、そうです。食べました、ラーメン。味噌チャーシューメンと白ゴハンと餃子とスーパードライ(コップ1杯)。しめて3000円以上かかってるね。ちなみに餃子は餃子じゃなかった。思いっきり残したね。ラーメンはラーメンだったけどまずかった。でも。ゴハンはゴハンだった。けっこうジーンとした。自分がこんなに食べ物に反応するなんて驚きです。「なんでも美味いなんでもまずい」というくらい味覚が腐ってるはずだったのに。ちゃんと体は覚えてるんだね。

ロンドンにはいっぱいいっぱいアジア人がいて、いっぱいいっぱい日本語も行き交ってて懐かしかったです。というほど日にちは経っていないのですが。

写真:これが5日にロンドンまで観に行ったポジティブリー・テストカードというバンド。ギターとウッド・ベースとドラムと、なんと笛がメイン!の編成。左のおじさんが笛吹き。かっこいいんですこれが。ちなみにベースの人はステージはけたらさっさと帰っちゃった。笛の人が「昨日バザーでただでもらってきた」(多分)シングル盤をもらいました。まだ聴いてないけど、彼らのレパートリーの原曲が入ってるようです。ファンにとってはとても貴重な代物に思えてヒデキ感激!

slax, Tot

tags : PositivelyTestcard DaveWoodhead tot-channel

Dave Woodhead

ポジティブリー・テストカードという素敵なバンドをロンドンまで観に行くことにした。
ありがたいことに、会社でまたもやコーチ(バス)のチケットとユース・ホステルの予約までしてくれた。これはクリスの指示でミックがやってくれるわけであるけれど、ここに僕の意思はまったく存在しない。大変ありがたいけど多少困る。「大丈夫だよ。だって今までだって一人で旅行してるんだよ。その時だって当日に自分で宿を探してるんだから。」なんて言ってみたけど、「分かってるって。でも、予約は取っておくに越したことないだろ?」その通りです。ありがと。
ニュートン・アボットの駅前から乗って約5時間。でも途中のエクセターでバスがオーバーヒートを起こすという冗談のようなアクシデントに見舞われ、約6時間。ロンドンはヴィクトリア駅に着きました。プラプラ歩いていたらなんとビッグ・ベンを発見!こんなところにあるとは予想もしていなかったのでなんだか妙に感動。12年前、初めてロンドン観光した時以来だ。地下鉄に乗る予定だったのだが、なんとなく歩きたくなってしまったのが超愚か。時間がなくなってきて慌てて地下鉄に乗るが手遅れ。ユース・ホステルにチェックインして、ライヴ会場のナショナル・シアター(のロビーで無料ライブです)まで駆け足!
でもね。間に合わなかった。5分か10分遅かったね。一体何やってんだろ、オレ。虚しくなる。
汗だくになりながらヴィデオを撮り始める。見慣れない表示がモニターに映っている。あ、フォーカスが手動になっている。あ、広角レンズ付け忘れた。あ、あ、あ。汗が。もう大変。途中の休憩で、駆足でバーに飛んで行き、バドワイザー一気飲み。ようやく体が冷えてきた。2本か3本飲んだかしら。
後半はそれなりに撮影も進み、だいぶ落ち着いた状態になり、最後の曲が終わる頃には積極的に酔っ払い気分。一緒に記念撮影してゴッキゲンで会場をあとにした。
フィッシュ&チップスを途中の店でいただき(まずかった)、ユースホステルで即、おやすむこととなった。