正直、ここまで経っても、つまり帰国後一か月以上経っても、キューバ熱が冷めないとは思わなかった。いやむしろより愛が深まったと言ってもいいくらいだ。
だから「熱が冷めている頃」という前提ではあったけれど、旅行前にチケットを取っておいて本当に良かった。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ@武蔵野市民文化会館。

連れ合いと共に中央線に揺られて行ってきた。三鷹遠いな~とか1km歩くんか~とか鼻づまりキツイわ~とかのたまう内に到着。
開演前の心持ちとしては、結構フツーの感覚。超絶に楽しみで期待度マックス!なんてことでは全然なく、鼻づまりとか帰りの電車とかそんなことを考えていた。
演奏としては基本(これは定義色々だろうけど)地味だろうし、演出といっても途中でオマーラ・ポルトゥオンドが出てきてオーイエーみたいな感じくらいしかないだろうしなぁ。まあ、フツーに感動するだろうなーなんて思っていた次第。

そしたらアンタ、ステージバックのスクリーンに映し出される映像。これがしっかりしてるのよ。ちゃんと編集加工されていて見事な演出効果出してるのよ。そして一人一人、今は亡きブエナビスタ達を偲ぶのですよ。愛を感じるのですよ、彼等の映像の前で所縁の曲を演奏する若きブエナビスタ達の。ああ素晴らしいじゃないですか。

・・・なんてちょびっとうるっとしたところでオマーラ登場ですよ。そんなしみったれた感傷なんて吹き飛ばせ!って勢いで歌い上げ、客席煽りまくりですよ。たまらんすよ。85歳らしいんだけど、会場内誰一人太刀打ちできないくらいのパワーですよ。
もちろん他のメンバーもいちいちかっこいい。いちいちシャレオツ。
始まってから終わるまで、けっこう、あっという間だった。

キューバ云々抜きにして、ひたすらかっこいいライヴでしたよ。
終わったらすぐ帰るつもりだったけど、ゴキゲンで呑まずにいられっか!って感じで三鷹駅前の居酒屋にGo。しっかり終電でしたわ。

今日のDVD。
まずは『カストロ』(CASTRO/フィリップ・セルカーク/2003・独)。
詳細はよく分からないけど、どちらかというとカストロに批判的なニュアンスが強いドキュメンタリー。ただし地元の人達がカストロを褒め称えるインタビューもしっかり収録されている。
実際に革命政府に投獄された経験を持つ人が、「最初から彼は共産主義者だったんだ」ということを話していて、「共産主義=悪」という図式はやはり強いのだなぁと思い知ると同時に、様々な批判や圧力に曝されながらも「革命」を試行錯誤の中続けている(この作品制作当時は現役)、かつ(引退後の今でも)しっかり殺されずに生きているカストロって、本当に稀有な政治家だったんだなぁとも思い知らされちゃった。北朝鮮にもならずリビアにもならなかったんだよ。地理的条件もあったにせよ、やっぱり奇跡の国だわー。
そんなわけでとっても見応えのある、景色も映って観光を楽しみにしている人間にとっても良い作品。 Read More →