池袋のKing Rumというラム酒専門バーにて、『Cu-Bop』の上映イベント。
12名限定ということで、ギュウギュウ感が心配だったけど、席の間隔自体はまあ普通のバーだった(って当たり前か)のでほっとした。
とは言っても店の備え付けのTVモニターに映すので、観易さは席によって圧倒的に違う。少なくとも僕の視力では後ろの方だと確実に字幕を読めなかっただろう。早めに着いて大正解だった。
しばらく客は僕一人だったので、高橋監督や店のマスター原田さんとの駄弁り時間を持たせてもらって、これがまた有意義なひと時だった。地方や海外上映時の爆笑プライベートエピソードや、別の仕事で行った南米の国の笑えないギャグエピソードは、なかなか僕の日常では想像もつかない世界で、早くも満足感を得られてしまった。
20時過ぎから上映(再生)開始。
「なんだか不思議な映画」といった感想を以前耳にしていて、不安も若干なかったわけでもないが、それは完全に杞憂に終わった。観終わった時の満足感は相当なものだった。
補足説明が一切ない作品なので、最初は全体像やそれぞれの関係性がなかなか掴みにくいけれど、映像素材だけで紡いでいくこのスタイルが僕はドキュメンタリーとしては一番好き。頭と忍耐力をフル回転させて、点が線に変わってきてから一気に画面に吸い込まれていく感覚がとても快感なのだ。
実際に観るまでは考えてもみなかったけれど、一番観ながら考えていたのはカメラワークだった(やっぱりそこかい!)。
上映後の質疑応答(あの場ではもっともふさわしくない表現)で、他のお客さんに申し訳ないなと思いつつも、監督もガンガン答えてくれるもんだから、ついついそういうことばかりガンガン質問を連打してしまって、まあはっきりいって大満足。

○通常シーンでは1カメだが、ライヴシーンでは3カメになっていた。現地調達?
●日本からスタッフを連れて行った。ちなみに彼らの移動は自腹。
○3台の映像の質感が全て同じように感じられたが編集で加工したのか。
●違和感が出ないよう自分のカメラと揃えた。一つはまったく同じ型、もう一つはほぼ同型のグレード違い。メーカーからのレンタルだったのでなかなかの出費だった。
○アクセルのピアノ演奏で、下手アングルの監督のカメラが左手側から始めて、途中で右手側に移動する。最初から右手側から撮りたくなると思うが、なぜ左側から始めたのか。(結果的に両サイドからの絵が観れたのでとてもライヴ映像として楽しめたのだが)
●ドラムのシンバルが外れるトラブルが起き(実際に写っている)、それを俯瞰した絵が欲しかったため、左側から始めた。直したあとに右側に移動している。
○終盤、アクセルがハーレムでハバナでのライヴ映像をパソコンで観ているシーンがあるが、あの映像は既に編集が施されていた。時間差があるのか。
●荒編のものを2か月後くらいに持って行った。
○映像の色合いがとても独特だった。編集時の加工なのか。
●一眼動画で撮ったものだからだと思う。編集時に一定の色加工はしているが、その質感を狙って一眼カメラを選んだ。ハーレムでは大きすぎる(目につきやすい)ので業務用の小さなハンディカムを使った。場所が変わって質感が変わるのはそのせい。結果的にいい効果が得られたと思う。

・・・とかそんなどうでもいい(でも大事)質問をしていたような気がする。もうちょっと聞いたような気もするけどラムで酔っぱらってた。
監督は、この一つ一つに対してその時のおもしろエピソードも交え、とても真剣に答えてくれ、そしてもちろん他のお客さんからの質問も興味深く、そこからまた深い話が聞けたりして、とてもいいディスカッションだったように思う。

5月5日のSSUOの映像を、当日の打ち上げでふと思いついて編集をしてみて、準備計画を立てない撮影の危険さを今更思い知った僕にはとてもタイムリーでこの上なく刺激的で勉強になる作品と時間だった。マジありがたや。
たった今観終わったばかりだったのにDVD買っちゃったもん。また研究してみる!

帰り、あまりに腹が減ってラーメンを喰らってしまった。タプンタプンで気持ちが悪い。
心、入れ替える。

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