宿の裏庭

今日は日本的にいうと僕の母親の誕生日にあたるわけなのであって、本当ならば東に向かって3回礼をするべきところなのだが、確か彼女は海外旅行に行ってる筈なのでどっちを向けばいいのか分からなかったので何もしなかった。
馬鹿だから何も考えずに「俺は8時に起きる」なんて言っちゃったもんだから、当然ながら8時に食事の用意が出来ていた。目を擦りながらラヴリーなイングリッシュ・ブレックファスト(とは別に思わなかったけど、そうゲスト・ブックに書いちゃった)を取り、ラヴリーな庭(以下同文)を見て周り、ラヴリーな犬(以下同文)と戯れ、£35という大金を支払い、ラヴリー・プレイス(以下同文)をあとにした。
ちなみにこの日は雪。僕にとっては初雪。別になんとも思わなかったけど。バス停(ただ単にパブの前。看板一切なし)でバスに乗り一路ブリットポートへ。そこで接続悪くて1時間ほどぷらついてコステロダイアー・ストレイツスペシャルズのベスト盤を買う。日本だったら絶対買わないのにね。不思議。でもってそこから1時間半くらい西に走ってエクセター。さすが大きな町。ヴァージンとHMVがあった。しかも2階建て!それにしてもこの品揃えの悪さ。CD屋に行かずにはいられないのだけれど、行くと必ず日本に帰りたくなる。デイヴィッド(10月参照)が新宿のタワーで驚嘆していたが、やっぱりそれくらい違う。ロンドンに行けば勿論エクセターよりは充実はしてるけど、それでも妙に偏っている。インターネットのおかげで大分お買い物はしやすくなったけどね。
エクセターからニュートン・アボットまでは電車で。ちょうど来た来た。あ、2両しかない。クールです。
そんな1日でした。
前略おふくろ様、お誕生日おめでとうございます。

おもちゃ屋さん

今日は楽しみにしていたベン・ウォーターズのライヴ。お隣のドーセット州(ここはデヴォン)のビーミンスターというとても小さな町の集会場みたいなところにて。
なんとありがたいことにクリスがクルマで送ってくれるとのこと。あまりにド田舎らしいので素直に甘えた。1時間半ほどで着いたその町、本当に小さかった!クルマで走っていると5分もかけずに通り過ぎてしまった。超クールだぜ!予約しておいたB&Bに行くと、「2時半くらいに誰かが鍵を持ってくるから入っててちょうだい。私は4時過ぎに戻ります」との貼り紙。超クールクール!実際、2時半に鍵を持ってきてくれたおじさん曰く「いやぁオラぁ頼まれただけでよっくわっからねえんだけどよ」。「ま、ゆっくりしてってよ。2階があんちゃんの部屋だってよ。」くーるくーるくーる。女将さんも無事5時過ぎに帰ってきたからいいんだけど、「じゃ、くつろいでちょうだい。私はまた出掛けなきゃいけないの。じゃあね。」5分もしないで出て行っちゃった。
ライヴまで時間もあることだし、散歩することにした。さっそくクールな貼り紙発見。「犬の糞、罰金£100」幸先いいぞ。更に発見。「犬の糞、罰金£1000」どっちなんだぁ!値上がりするにしても10倍はやりすぎだぞぉ。なんにせよ、犬好きの国だけあってウンコもかなり大変な社会問題になっているのだろう、などと深刻ぶっていたら、僕のすぐ横を岩下志麻似のおばちゃんを乗せた馬が駆けてゆく。車道のど真ん中をパカラン、パカラン、パカラン。超クール。これこそイングランド。そしてお尻からバコン、バコン、バコンと大きなウンコを落としていくのだ。とても優雅に。車道の真ん中に。憧れのイングランドがそこにあった。

 

明日はとなりのドーセット州のビーミンスターという町(誰も知らなかった)でベン・ウォーターズ(誰も知らなかった)を観てきます。
こっちに来てから初めてのギグです。そして初めての外泊!!ドキドキ。

クリスマスはいかがでしたか?

私?疲れましたわ。

Tot

Chris in Cockington

朝食をいただいてすぐトーキィー探検。「じゃ、いってきます。」
「どこに行きたいの?」とクリス。「クルマで乗っけてってあげようか?」
「いやそうじゃなくて歩き回りたいだけだから。ありがと。でも大丈夫。」
いつもなら「Okay。」で終わる彼。「いいからいいから。2分だけ待ってて。」
クルマで走り出して1分後、「いやあ。なんかさ、出掛ける口実欲しかったのよ。ありがと。」なんやの、おまえは。
でも結果的にはクリスがいてくれて良かった。コッキントンという素敵な古い村を歩き回り、モデル・ヴィレッジという観光客向けのちょっとした公園を回り、何ひとつガイドブックも持ってこなかった僕には、買い物に行くよりもとても新鮮に思えるところに連れて行ってもらえた。海岸に行った時、幼い頃遊びに来た記憶が甦ったクリスは、海を見ながら目を潤ませ、色々な昔話をしてくれた。完全には理解出来ないのが悲しかった。

クリスの親父さんというのはバイロンのことであって、会社の共同経営者の1人である。バイロンとクリスとデイヴィッドの3人が会社のトップということになる。バイロンは営業、クリスは工場、デイヴィッドは良く分からない。それはまあさておき。
朝起きて、10時すぎにはトーキィーに着いた。「まずは向こうで朝飯を食おう」と早目の出発になったのだ。足元がおぼつかないバイロンとアン夫妻があたたかく迎えてくれる。さっそくアンの暖かい朝食が。これがオフクロの味というやつなのね。でも実は正直いってクリスのつくってくれたものもホテルで食うものも、僕には全然区別がつかない。元々舌に神経が通ってないことで有名だったことにくわえて、イギリス的味覚に閉口していることも関係しているのだけど。
ここでクリスの態度が急変。いつも気遣いの人で、せかせか動き回っていた彼、もう途端に何もしない。ソファーにふんぞり返っている。全部おかあちゃんまかせ。「ん?いや。別に。どうでもいいよ。」会話もこんな感じ。なんだかいいなぁ。こういう光景。
バイロンとアンは大変気を使ってくれて、心苦しい。「飲むか?飲むか?」どんどん進めてくれる。あの濃い味付けの朝食とアイスクリームとビールとワインとチョコレート。西洋人って凄い。というか西洋人の痩せてる人って凄い。昼過ぎにはまたしても危険な状態に陥った僕は「いやぁもう腹いっぱい。グデングデン。」と断り通した。今度はバイロンもしかめっ面。なんやねん、おまえら。
そのあとどうなるのかというと、5時間くらいリビングでみんなでTVを観る。たまに飲む。食う。僕はソファーで寝る。アンは食事に支度をしている模様。その間、バイロンとクリスはTVを観ながら飲む。食事が出来る。アンが説明してくれる。「トット、これが七面鳥、これがビーフ、これはチキン、こっちはポーク。遠慮しないでどんどん食べてね。」バイロンバイロンで、「トット、これはとっても軽いワインでな。」嘘つけ。クリスの飲んでるやつより強いじゃん。
でこのあとどうなるのかというと、3時間くらいリビングでみんなでTVを観る。たまに飲む。食う。
これが、これこそが、メリー・クリスマス。

Wake up, Mick!

本日、仕事納め。先週に残していた機械仕事を30分ほどで片付け、みんないつもと同じように仕事をしている。大掃除はしない。この1週間、掃除しているのを見たことがない。どうしてるんだろう。実際すごい汚い現場だし。「ホウキってどこ?」「ホウキ?ホウキ?…….ああ、どっかにあるはずだなぁ」なんていう感じだし。3日くらい前に僕が使って、それ以来僕しか使ってないし。
でもって今日は、僕は機械を好きにいじっててもいい、という許可を得て、色々と試していたわけ。それなりに充実していたわけ。そしたら。12時過ぎにクリスが来て。
「トット、今日はもうお終い」「へっ?」「飲み行こう」「へっ?今から?」「そうだよ」
というわけで僕とクリスとミック、アンドリューとその親父のピートという先週の金曜日の面子にリー(これも会社の子)を加えた6人でさっそうと町に繰り出した。
初めて知ったのだけれど、パブのハシゴっていうのはとっても当たり前なのですね。1杯飲んで次、1杯飲んで次…..。でも忘れちゃいけないのがまだ昼の13:00ってこと。そして僕は朝飯も食ってないってこと。「食い物がないと飲めない!」とダダをこねるも「次の店でね」と軽くあしらわれる。結局3軒目で、何故かケンタッキーフライドチキンに入り、ようやくありつけた次第。みんなでガツガツ食って、即「さ、次いこう!」
恐ろしいほどどのパブも混んでいる。クリスマスなので誰もが盛り上がっているようだ。最終的に回ったパブの数は6軒か7軒にのぼる。比較的お年寄りは1軒でじっくり飲む傾向が強いとのこと。「でもオレ達は違う!」と誇らしげなピート。
途中から危険な状態になりつつあった僕はノン・アルコールで強引に通したが、みんな飲む飲む。こういう生活してたら強くなるんだろうなぁ、としみじみ思った。とその矢先、ミックの様子が急変。サイダーで通していた彼、とうとう逝ってしまった。灰皿にガンガン頭をぶつけ、「ギャハハ〜。」もう手遅れ。リーに介抱されながらもフッラフラ。弱い癖に飲むから。いやぁ、またしても僕の中で赤丸急上昇なミッキーでした。
さて、家に着いたのが19:30。なんでこの時間に酔っ払ってんだろ、と思いながらすぐ寝ました。でやっぱり夜中に目が覚めて眠れなくなっちゃった。今に至る。
明日から数日、クリスの親父さんの家に行くことになっている。チョー憂鬱。

サッカーグラウンド。

ミックはローカル・サッカー・チームを率いている。彼はいわばチェア・マンなのであって、選手ではない(らしい)。今日はそのチームの試合があるとのことで、クリスのクルマで港町のトーキィーへ。着いた時にはもう始まっていた。ミックはラインズマンをやりながら激を飛ばしている。我等が青いユニフォームはどうも劣勢だ。黄色に較べてどうも動きがのろい。それでも、前半はPKで1点とられただけで折り返した。恐ろしいのは後半。10分くらいで1点取られて、選手交代。ボスのミック登場、までは良かったんだけど、この新しい右サイド・バックがどうも調子悪い。ここからいつも抜かれちゃう。あれよあれよという間に5−0。いや正直いって数えられなかった。6だったか。そのヘタさ加減が昔の僕そっくり。いとおしくなっちゃった、ミック。
ミックに別れを告げ、クリスとも別れ、僕は一人でトーキィー観光。クリスマス直前で比較的店は開いている。「大きいCDショップはこの辺ある?」乳母車を押していた若いママは困惑ぎみ。「う〜ん。ヴァージンがあるけど….。決して大きくないわよ。というか小さいわね。」本当に小さいのだ、これが。最新チャートのアルバム以外は80%ベスト盤。
クラッシュ「ロンドン・コーリング」フー「フーズ・ネクスト」ストーンズのベスト盤。3枚£10。それから日本でも良く耳にしたロビー・ウィリアムスの新曲。この曲が僕はとっても好きで、どうせなら、とアルバムを買った。後悔してる。シングル盤にすりゃ良かった。というわけで今はクラッシュをヘッドフォーンで聴いている。

今日は花金というやつなのであって、飲みに連れて行ってもらった。クリスとミックとアンドリューと、その義理の父親(かつクリスのマブダチ)のピート。つまりは男だけなのである。飲み始めて30分もしないうちにミックとアンドリューはいなくなってしまう。結局なんだったのだろう。アタシにはさっぱり事情がつかめない。
この間ラリーに行った時に思ったんだけど、クリスの友人達はしょっちゅう「ファッキン」を連発するが、彼は決してそういう類の言葉を口にしない。というわけで今日は、ピートがけっこう調子に乗って四文字言葉をバンバン僕に教えようとする。その度にクリスは「No. That is too disrespect」と顔をしかめる。その様がとても可笑しくて僕は笑い出す。そうすると気を良くしてピートが……….振り出しに戻る。
ここはサイダー・パブ。林檎から作る、あの「サイダー・ハウス・ルール」のサイダー。デヴォンはサイダーで有名なんだって。知らなかった。弱いやつを頼んでもらったのだけど、それでもけっこうきてるみたい。3杯飲んだらちょっとトイレまで行くのもふらついた。17:30にスパッと仕事を終えてすぐ飲みに来ているので空腹なのも手伝って、僕はすっかりお疲れ。「もう帰ろう」と楽しく飲んでる2人を急かす。それが確か21:00過ぎくらいだったか。途中テイク・アウトでフィッシュ・アンド・チップスを買うも、腹は減ってるけど気持ち悪くて中々進まない。結局半分以上残してしまった。
22:00前には家に着いたけど、文字通りバタンキュー。
サイダーには気をつけた方がいい。

働き始めて早や(まだ)3日目。
3日目にして分かったこと。この会社、かなり暇。実は昨日今日がピークになるからがんばらなくっちゃ、なんてみんな意気込んでたけど、昨日残業して18時まででしょ。今日なんて定時の17時半にスパッと終わって40分には鍵かけてたじゃん?
今日のクリスとの会話:「さ、何しましょ?」「….う〜ん。そうだなあ。じゃあとりあえずこの機械で。」「あ、でも向こうの機械動かしちゃいましょうか?昨日の続きで。」「いや、あれはね。そんなに急いでないし。」「…いいの?1台にこんなに人つけて。あぶれてるよ。」「いいわけじゃないけどね。ま、あわてることもないし。」
やりすぎないことも大事なのだ。
なんでこんな会社でインターンシップ利用することになったんだろう。ちょっと不思議。勿論僕がもっと英語が話せればやらせることも全然変わってくるんだろうけど。それにしても暇すぎる。