Paul McCartney @ Tokyo Dome
朝6時半に帰宅後、とりあえずソファーで気絶。1時間ほどで無理やり復活してとりあえずシャワーを浴びてとりあえず仕事に行く。とりあえず現場をうろついてからとりあえず事務所に腰掛け、とりあえずグッズのTシャツの種類を調べる。そして昼食後、すかさず退社。
13時10分頃、水道橋着。14時で良かったのに早く着きすぎやっぱ舞い上がってるなテヘペロとか思ってたらもうグッズ売り場には4〜500人(嘘かもしれない。300かも200かもしれない。でもとにかく長蛇)の列。やんなっちまうよまったく。僕が並んだあとも数分後に振り返ったらもう最後尾が見えなくなっていた。恐ろしい。平日なのにみんな何やってんだ。
でもテント前スペース(グニャグニャ迂回して並ぶようなところ)自体閉めていたので、そのゲートを開けたらスルスルスル〜と前に進んで数十分で売り場前まで行けてひとまず安心。ココからが結構長く感じたんだけど(お前等そこで悩むな!気になってんなら全部買え!サイズわかんねえなら全サイズ買え!と心で叫んでいた。3回くらい)、10分位前から販売開始してくれたこともあって、無事14時10分くらいには出口へ到達できていた。よかったねー。ウイングス、タグ・オブ・ウォー、ラテン系革命家(のち成金)の3種類のTシャツとパンフを購入。
しかしここからがやっぱり長い。会場は17時なのだ。しょうがないからベンチで寝るかーと思っていたところでレイコちゃんに遭遇。軽く駄弁りながらお茶して時間潰し。
17時にゲートが違うのでお別れ。したんだけど開場時間が遅れてますとのことでまた30分ほど並ぶ。なんだか並びっぱなしだ今日は。まあ外タレ、しかも世界最高峰なのだからしょうがないのだけど。
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座席で仮眠。そしてオープニングのコラージュサンプリングショーで覚醒した後、会場暗転、お客さんウオー!そしてそしてステージから一発目の照明ピカー!お客さんウオー!!
何故かここで泣いてしまった。
うわーぽぽぽぽーる!・・・あーホンモノだーうわー。そして涙はあっさり止み、比較的冷静に「かっこ悪いなあの服」とか思いながら「Eight Days A Week」鑑賞。それで今度は2曲目の「Save Us」でどわっと涙。何なんだろうね一体。
元々は、新作はシングルの「NEW」しか楽しみでなかったけど、数日前にちょっとは他のも聴いとくか、と半分義務的にアルバムを通してみたら、こりゃ素敵じゃないか!と評価が180度変わってしまった。この感覚は『Flowers In The Dirt』の時とまったく同じ。あの時はコステロも入っていたので一回で気に入った曲も多かったんだけど、大方の曲はまあどうでもいいレベルで捉えていた。でもこの曲をライヴで演るんだよねって意識が入ると「Figure of Eight」なんて途端にかっこよく感じちゃって、新曲が聴きたい!という意味でライヴが楽しみで楽しみでならなくなった。それが今回の『NEW』でも起きるだなんて、なんか猛烈に嬉しくなっちゃった。
正直ビートルズの曲をあれ演ったこれ演ったには当日まで(そして翌日の今日になっても)まったく興味が沸かなかった。ウイングスは確かにまあ聴きたいけれど、『ROCK SHOW』もあることだし、な気分。ありえないのは分かってたけど、一番聴きたかったのは『Back to The Egg』以降の曲だ。「Getting Closer」、「Take It Away」(『Tug Of War』からだったらほぼ全部聴きたいくらい)、「So Bad」、「Press」、それから「Young Boy」と「Fine Line」。もちろん『Flowers In The Dirt』と『Off The Ground』からは諦めなくちゃいけない。これだけのキャリアの人なんだから。だから我慢する。
で、ここまで我慢するんだから、今のアルバムからはもうちょっと演ってくれても良かった。仮にトイレに行く人が増えたとしても。そもそもこのメンバーで録音しているわけだから、やっぱり一番上手く聴こえるのはこのアルバムの曲だった。そんなこともあって、「Save Us」の軽薄なイントロを聴いた時は(セットリストは確認していなかった)結構スクリームしたいフィーリングに陥った(絶対しないけど)。
「Save Us」って、なんというか、紫のハッピ着てハチマキもして「ヘイ!ヘイ!」なんて掛け声上げたくなっちゃう、もっと分かりやすい表現をすると、午前2時頃に上下ジャージで、子供を連れてドンキホーテに来る若夫婦、みたいな。そんな立ち位置なんです僕にとっては。でも、それがいいじゃないですか。盛り上がるじゃないですか。この時ばっかりはホントに黄色いメガホン欲しかったもん。
まあとにかくそんなわけで、涙は「Let Me Roll It」まで続く。エンディングのあとそのままギャーオゥ〜!みたいなギターソロコーナーになって「ジミヘンじゃないんだからアナタは」と冷めてきちゃってたら、本当に「ジミヘンに捧げまーす」なんてMCで喋ってた。てことはやっぱりギター上手いなーこの人はって大いに感銘を受けた次第。すみませんでした。ジミヘンにハマったことのない私にはあまり良く分かりませんでしたが、分からないなら黙ってろと叱られそうなので黙っていました。もしかしたらあれはジミヘンの何か有名曲だったのだろうか(多分そうなのでしょう)更にもしかしたらジミヘンに捧げたのは次の「Paperback Writer」なんじゃないかなんて考えも出てきて、意味がわからなくて結構この時はうろたえていました。
ベストトラックは「NEW」。一番キレイだった。ちなみにギターかベースを持って歌うものだと信じて疑わなかったので、サイケピアノだったのは軽く新鮮で勝手に得した気分だった。新作から演った残り2曲もまったく無問題。とても、とても、楽しい。あのポールが、「こないだ作った曲」を目の前で披露してくれるって、やっぱり至上の喜びであり、極上の贅沢だと思う。
それから「Another Day」と「All Together Now」「Hi Hi Hi」も素敵。何回観てもやっぱり楽しいのは「Live And Let Die」。もっと盛大にドッカンして欲しい気もするけど消防法とか色々あるんだろうな大人の世界って。「Here Today」はヴォーカルがちょっと辛い感じだった。「I’ve Just Seen A Face」もイマイチかなぁ。「Something」はバンドが入る瞬間がズルイ。あれじゃ5万人みんなクラっと来ちゃう。神レベルのじらしテクっていうヤツかな。
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なんだか腹いっぱい。でも物足りない。そんな3時間弱。最終日で良かった。初日を観てたら絶対二日目、三日目って続けて来てたと思う。
あんなに昔から続けていて、あんなに昔の曲を通じて世界の人達の人生を(恐らく)良い方向に転換させてくれて、本人はしっかりと今の人。当たり前のことなんだけど、今、もっともっといい曲を書こうとし続けてくれている人。あの時代からこの時代、ずっと生き続けてます、と表明してくれる、本当にありがたい人。こんなありがたい人、この先出てくることはきっとないだろう。
また来てほしいわ。
THEN WE WERE NEW, NOW WE ARE NEW.

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Huey Lewis & The News 渋谷公会堂。
ベストヒットUSA時代からかなり好きで、でもナマを観たことがなく、数年前、人気がなくなってそれなりにショボくやっています、なんて噂を聞いて、現地に観に行こうかと目論んだこともあるバンド。結局行かなかったけど。
そんなわけでとても嬉しい来日だった。勿論再発の『SPORTS』は買って何回か聴いた。でも他のアルバムが見当たらなくって(引越しの時、「やっぱヒューイ・ルイスは手放せない」とか思った記憶はあるのだが)、そのまま忘れていつの間にか当日を迎えていた。大ファンだったはずなのに。
オリジナルメンバーだったのかどうかは良く分からない。大ファンなのに。運良く2階席の一番前だったので一瞬たりとも立ち上がらなかった。大ファンなはずなのに。でも、とても楽しかった。やっぱ好きだわ。
以下、思ったこと。
当然『SPORTS』中心の選曲になるんだけど、実は「Trouble In Paradise」がいい出来だった。そしてなにより新曲「While We’re Young(Were We Young ? 聞き取れなかった)」が良かった!もしかしたら一番良かった。
一番か二番に好きな曲「If This Is It」では、ヒューイのヴォーカルがイマイチの出来で、ちょっと残念。
一番か二番に好きな曲「Stuck With You」を演らなかった。多分。多分ってところが大ファンなのに悲しい。
その次くらいに好きな「Naturally」も演らなかった。残念。
「Hip To Be Square」のキメのブレイクが大失敗に終わってて笑ってしまった。何度かマイクを向けてお客に歌うよう練習させていて、最後のサビで会場中が「ひっとぅびーすけー!」と大合唱?になるはずだったのに、バン!と音が止んだら一瞬会場中が沈黙、そして「いえー!」と大歓声。曲が終わったみたいになっちゃった。メンバーもやっちゃったね感満載だったと思う。
19時(10分程度押したかな)に始まって、20時半には「もう俺たちオッちゃんは寝なきゃ」なんて言って(一応数曲演って)帰っていった。早すぎるなぁ。本国で19時スタートなんてしないくせに。
アンコールの「Boys Are Back In Town」はギターとハープのユニゾンとかしちゃってとてもとてもカッコ良かったけど、会場の半分だけ盛り上がっていて、残り半分は腕組み棒立ちだった。このへんが本人達として辛いところだろう。立ち位置の認識が自分と回りで全然違うんだもんね。もしかしたらさらりと「When I Write The Book」なんかやっちゃってどっかから「キャー!」とか歓声が沸く、なんてことも夢想してしたんだけど望むべくもないね。
とはいいながらも基本的に会場は大盛り上がり大会で、1曲目から一階は多分総立ち。まあ立たなきゃ見えないからね。二階も僕のような最前の不心得者が座っていない限りは立ってたんだと思う。僕の回りのお客さんは手拍子も休まずに最後まで通してた。みんな首を長くして待ってたんだろうなぁ。
ステージも客席も年齢層の高い、なんか、ホンワカしてていいコンサートでした。
欲を言うならもっと今の曲も聴きたかったし、カバーアルバムからも演ってもらいたかったけど、あのヒット曲の多さから考えると、まあこの時間内じゃ無理だわな。本国なら(若しくは盛り下がっていた時代なら)違っていたのかな。
やっぱ観に行っちゃえば良かった。
tags : hueylewis thinlizzy nicklowe

イメージフォーラムで『選挙2』(2013/日本/想田和弘)。
寿町のフリーコンサートで中ムラサトコとJOYRIDE。
キムさん、あっちゃん、デグっちゃん、GOTOちゃんと呑む。
tags : 映画 nakamurasatoko

昨日買った、バロンと世界一周楽団の新譜、それから昔ジョーダンが参加していたバンドのCDを聴く。
tags : baron jordan

あんなに泥酔していたのに、やっぱり気が張ってるのか、ちゃんと起きれるもんだ。
5分で着くってのに1時間前に出発。コンビニで不味いサンドウィッチと普通の水を購入、公園でタバコをふかしたりしながら超余裕でコーチ・ステーションに到着。ゲートの先頭で待ち、アナウンスを何一つ聞き漏らさないように意識を集中させ、結果何一つ聞き取れなかったんだけど、まあ予定通りに搭乗、出発。イエー。
6時間って長いよね。もう泣きたかったわ。途中で車内トイレが壊れてるとかで、修理のおじさんが乗り込んできてガタゴト直していったり、運転手の交代で20分くらい止まったまんまだったり。目的地のHuddersfieldに着いた時は7時間経過してましたよ。そのあと電車に乗ってっていう完璧な計画を立てていた僕はどうなっちゃうんですか?あーん。てか計画以前にもう気持ち悪い。バス座りっぱなし7時間は多分新記録だよ。
このあとBlockholesまで電車に乗って、そこにリチャードが迎えに来てくれて宿に向かうっていう計画だったのだけれど、とりあえず電車逃しちゃってあと1時間来ないって。到着時間を連絡することになってたのでリチャードに電話したら留守電だし。なんなのもう。もう泣きたいのでもう一回コーチ・ステーションに戻ったらBlockholes行きのバスがあるって!そうかバス会社が違うから分からなかったんだ。いや〜奥が深いわ。で良く見たらBlockholesのあとHolmfirthも行くみたいだよこのバス。うわ〜とりあえず乗っちゃえ!
これはいわゆる本当のローカルなバスで、なんの車内アナウンスもない。運転手の側に立って到着したら教えてね攻撃をしたかったけれど、えらく混んでて何となく気兼ね。外の景色を見てるだけじゃ、当然どこなのか分からない。第一その前に気持ち悪い。
しかしテクノロジーの進歩ってすごいね。アイフォンですよグーグルマップですよ。現在地が青いマルで移動してますよ。で、赤いマルがHolmfirthのマッケートプレイスですよ多分。その二つのマルがほど接触する、そんなところで降りてみましたよ、バッチリですよ。もう一人旅なんて余裕ですよ。
そこでリチャードに電話。すいません実は簡単に着いちゃった。そちらの宿まで徒歩10分程度だと思うので歩いていきますよなんたってグーグルあるし、と言ったら「いいからそこを一歩も動くな2分で迎えにいくから」とのこと。そっかーじゃあ待ってみるかーとタバコに火をつけたその瞬間にリチャードやって来た。はえー。
クルマで2分。あっという間に本日の宿、Ash Houseに到着。建物は1850年代に建てられたもので、マンチェスターのリチャード一家が何年か前に買い上げ、B&Bを始めたんですって。奥さんのロレッタ、息子のルークと挨拶し、そのままキッチンで長話。早く部屋を、という気持ちがないわけじゃないけど、コーヒー飲む?チョコレートケーキは?とか勧められて、なんとなく嬉しくなってヘラヘラいただき、聞かれるがまま、ウィルコ・ジョンソンが如何にスゴイ男なのかという話を聞かせてあげた。「ガンになって有名になった人」程度の認識しかない人達にとって、やっぱりニッポンからわざわざやってくるなんて相当な事件らしい。「All the way from」という言葉をここで何度聞いたことか。でもこの言い回し、一番最初に学んだのは他でもないウィルコ・ジョンソン。『Watch Out』のMCで、ドラムのサルバトーレを紹介する時に「All the way from Italy」ってとってもリズミカルに言ってた。あれだけはすごく覚えている。だからここでこのネタでそう言われるのは、まったく理由になっていないけれど、なんだか嬉しいのだ。
犬二匹と猫四匹も飼っているAsh House。トットは犬猫ダイジョブかい?なんて心配されたけどダメなはずなかろうよ。猫はびびって寄ってこないけど、噛まれないようにね、なんて言われた犬はあっという間に俺様の手の下で仰向けになって「ハッハッハッハッハッ」状態よ。軽く英国人を感嘆させたぜ。
ロレッタも面白い人で、「はい、これトットのね」と鍵を渡してくれた時に、「ま、あなたが望むんだったら?午前2時?とかに帰ってきて?バタンキューでしょうし?きゃっはっはっはっ!とにかく自由に出入りしてね!きゃっはっはっはっ!」・・・ってこれみんなに言ってるんだろうね。大体その時間、店やってねえだろ。
軽くシャワーを浴びて、軽く仮眠。開場2時間くらい前に出発。昨日買ったウエストポーチに機材を詰めただけの、余裕しゃくしゃく装備。近いって嬉しい。
今日の会場のPicturedrome、正面玄関に張り紙。入り口はアチラ。でもアチラ何もないよ。行ってみるとパブだよ。しょうがねえから呑んでみる。すると中年カップルが話しかけてきて、「もしかして、ウィルコなのか?」と。「ああそうですよ。”はるばる”日本から。」これで一発で友達。オレは何年のライヴを観たとか、あの曲がいいとか、言葉が通じなくても通じ合えるネタで盛り上がる。その横にいたお父さんと息子ペア、お父さんが自慢気に取り出したのが1975年のドクター・フィールグッドのチケットの半券。こういう時の為に持って来てるんだねー。どこの国にもこういう愛すべきオタクっているんだよねー。正直どうでも良かったんだけど、スゴイネースゴイネーって言って写真を撮らせてもらったら、お父さんは更に自慢気な顔になっていた。
おっとこんなにのんびりしてちゃいけねぇ、オレは並んでかぶりつくんだ!と彼等に別れを告げ、外に出て場所を確かめると、Picturedromeとパブの間の幅1m程度の通路にどうみたって通用口の扉があって、そこが入場入り口でした。わからないねこのセンスが。
もう10人以上並んでいた。しまった被りつけないかもしれない!なんて軽く焦ってみたけど、僕より早く入った人達は最前列にはなんの興味も示さず、2階席の一番前に駆けて行っていた。
今日は早々とカメラの準備をして、のんびり開演を待っていたら、隣でめちゃくちゃ騒いでいた中年カップルに話しかけられた。「うお〜!マジかよ?All The Way From JAPAN??? すっげ〜アメイジンだぜ!」大喜びのサイモンとローラ(多分)。楽しもうぜ!終わったら乾杯しようぜ!と約束しました。
さて開演。ロンドンでもお馴染みのEight Rounds Rapidが登場。ギターくんは学習能力のある人で、シールドがエンドピンにかかっていた。さすが。
次に出てきたのが、元々告知されていたMark Radcliffe & The Big Figures。パっとこの名前だけ見て、「え?」と思ってしまってそれっきり何も調べなかった。だってBig Figureなんだもん。そうなんだーまだドラムやってたんだーこっちに住んでるんだーすげー貴重ーとか勝手に思ってた。だからすぐカメラを回し始めたわけ。当然ドラムにズームしたりするんだけど、あんな顔だったかなーでも歳食っちゃえばねーウィルコだって全然違うもんねーなんて首を傾げながら撮影続行。そしてふとしたMCで、あ、そうかビッグフィガーズってバンド名か、ってようやく気付いた。いやバカみたいでしょ?てかバカでしょ?でもホント、ずっと気付かんかったわ。いってみりゃ、おじさんコピーバンドでした。

Talk ‘bout You ~ I Can’t Tell ~ ? ~ Lucky Seven ~ ? ~ ? ~ Cheque Book ~ Hog for You ~ You Can’t Judge A Book By The Cover

そしてウィルコ。今日は大掛かりな撮影もなし。だからウィルコは下手側。だからノーマン寄りのこのポジションは完璧。ディランもばっちり撮れる。
そしてステージと客スペースの間、一応柵はあるけれど、ステージによじ登れないようにしてあるだけ。だからスティルのカメラマンもいない。超がつくほど完璧でしょ。
演奏も音も、間違いなくロンドンより良かった。客のノリも最高。「When I’m Gone」で、ウィルコが行くぞ行くぞ行くぞ〜という素振りを見せながらもじらす、というところがあるけれど、この時の後ろから伝わってくる熱気だけでもう充分っていうくらい。
「Don’t Let Your Daddy Know」の時は、隣のローラ(多分)が「トットもうカメラ止めちゃえ!リラックスして!ほらもっと楽しまなきゃ!」と叫んでくる。「わかってるわかってる。楽しんでる。いいのこれで」と返したけど、こっちの内心は「ほっとけ」だし、あっちの内心は「信じられない。何の為にライヴに来てるの?」なわけだ。まあ、あちらがいわゆる「正常」なのはよく分かる。でももうこういう楽しみ方が身に染みてしまって、大袈裟にいうならこの7年くらいで鍛えた腕を、ウィルコ・ジョンソンで試せるということに武者震いするくらいの喜びを覚えているのだ。しかももうこの先きっとこんなチャンスは訪れない。嫌いな言い回しだけれど、「リヴェンジ」なんてことは絶対に出来ないのだ。でもそんな説明、ライヴ中のネタではないし、したところで伝わるはずもなく。回りの客をシラケさせてしまうことは、申し訳なく思ってますいつも。いや本当にみなさんごめんなさい。案の定演奏が終わったらすぐ、彼等は僕から離れて行きました。ちゃんちゃん。
まあそれはいいとして、今日更に良かったのが「バイ・バイ・ジョニー」。僕は正直、この曲はあまり好きじゃない。だから多分、今日は今まで多分20回近く観ている中で、初めて「いいな」と思った時だと思う。何が良かったかって、やっぱり客との完全な一体感が感じられたから。チューニングも弦交換もなかったけれど、そして必要以上に(汽車が来る〜とか演っちゃって)長かったけれども、それはそれは美しい光景がそこにありました。
そして演奏ホントに終わり。
「Thank You! Good Night! and goodbye.」

All Through The City ~ If You Want Me, You’ve Got It ~ Dr. Dupree ~ Going Back Home ~ Roxette ~ When I Was A Cowboy ~ Sneakin’ Suspicion ~ Keep On Lovin’ You ~ When I’m Gone ~ Cairo Blues ~ Paradise ~ Don’t Let Your Daddy Know ~ Back In The Night ~ She Does It Right ~ (encore) Bye Bye Johnny

ああ、本当に終わっちまった。
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今日は宿も近いし、なんかこのまま帰るのもったいないなーと思って、バーカウンターでビールを頼んで会場内散策。なんたって100年くらいの歴史のある建物だから見応えもあるのだ。
階段を登って行ったら二階席、いや三階もある。と思ったらそこにもバーカウンターが、と思ったら地元のバンドが演奏始めちゃった。これこれ、昔々、Western Electricをアバディーンで観た時もこんなのがあった。素敵だなぁ。
なんとなく暇だし、古いロックンロールとかビートルズ演ってるし、そのままヘラヘラ観て、撮影もしてみる。ついでに建物も撮っとく。中は禁煙なので一旦外に出ると、ウィルコ・ジョンソン・バンドが機材をクルマに積んでいた。ウィルコは見なかった(もう中で休んでたのかな)けど、ノーマンがいたので「ありがとうサンキューサンキュー」と強引に握手してきた。ちょっと困った顔をしていた。日本人スタッフの方もいた。20年くらい前に一回だけお会いしたことがあって軽く駄弁ったことがある。勿論向こうは全然覚えていなくって、ちょっと困った顔をしていた。
タバコも吸ったのでまた三階に戻る。まだ歌ってた。ちょっと疲れてきたのでボケーっとしてると、「ニホンから来たのか?」とまた話しかけられる。ロンドンじゃ珍しくもないだろうけど、やっぱりこんな田舎ではアジア人って滅多に見ないんだろうなぁ。ビリーとリックとポール。すっげーすっげーウィルコの為に?ニホンから?アッメイジン!またしてもテキトーに盛り上がり、「明日なんかレックレス・エリック観に行くんだぜ!」と自慢気に話したら、「え?誰?」と三人ともポカーンとしている。「レックレス・エリックだよ!スティッフのさ!」「・・・え?」「だーかーらー!W・R・E・C・K・L・E・S・S!ERIC!」「・・・あ〜〜〜!レックレス・エリックねぇ!はいはいはいはい!」だってさ。さっきからそう言ってんじゃんか。アッタマくるわ、英語勉強しなおせ。
そんなこんなでワーワー言ってるうちに、バンドも片付けを始めた。じゃあ帰るかーってビリーと一緒にタバコを吸いに外に出たら、「俺たちこれからパーティーやるから。トットももし良かったらおいでよ」と誘ってくれた。正直めんどくせーなという気持ちがなかったわけでもなかったけど、一応場所だけ聞いておこうかな、どっちにしてもシャワーくらいは浴びてからの方がいいし、と言ってるうちに「あ、ここ」って着いちゃった。徒歩1分じゃん。
じゃあってことでそのままずるずる。結局先程のバンドの連中と一緒に歌声喫茶、というか居酒屋、というかパブ。
「ジャッキーウィルソンセッド」とか「イフアイフェル」とか「ウェイト」とか「イウォンビロン毛ー」とか「炭鉱マリス」とか。そういえば「ウェイト」の時に、リックに「オレが初めて観たコンサートはザ・バンドだったよ」と言ったらぶったまげてて、「マジかよオレなんかオジー・オズボーンだぜ!」だって。それもぶったまげるわ。
散々呑んでフラフラで終了。みんな超ゴキゲン。B&Bまで、道は簡単なんだけど果たしてこの通りのどこにあるのかが良く分からない。暗いしみんななんとなく似てるからね。そしたら「じゃウチ泊まれよ」だってさ。すごいなーそういう感覚。もちろん丁重にお断りしたけど。
みんなと別れて、でやっぱりB&Bがよく分かんなくなって、あーもう我慢できない!って立ち小便をした。すっきりしたところで、さあじっくり一軒一軒探すか、と覚悟を決めたら、用を足した空き地の隣が目的地だった。
静かに鍵を開け、こっそり中に入った瞬間、壁掛け時計が2回ベルを鳴らした。
ロレッタ、あなたは正しかった。
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MARK RADCLIFFE & THE BIG FIGURES tot-channel.co.uk/118-wilko/20130308bigfigures.htm
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年末だったか年明けだったかに聞いた、ウィルコ・ジョンソン末期の膵臓癌のニュース。そして急遽決まった(恐らく最後の)来日公演。
2回、携帯からとPCから予約メールを送るも、青山レッド・シューズからの返信はなし。結局予約出来ているのかどうか分からないまま当日を迎える。そしてツイッター上では、もう予約は締め切った、入れないかもしれない、でも店の外にモニターを用意するからみんなウェルカム、というような書き込み。
なんかもう、これ見て「いいや」って気になっちゃった。別に何が悪いってわけでは全然ないんだけれど、なんだか気が失せてしまって家で不貞寝。そしてツイッター上で、みんなの書き込みを「おーそうかそうか」と眺める。
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もう何年観ていないんだろうか。あれほど好きだったのに。
初めてその存在を知ったのが高校生の頃の兄のレコード棚のサード(ライヴ)。そして三年生だったか卒業した年だったかにライヴ・インでホンモノを観た。
当時バンドやろうぜ君だった僕が受けた衝撃が相当なもので、もし今僕が音楽を続けていたならば間違いなく、ウィルコがオレの人生を変えた、とかのたまっていることだろう。実際楽器演奏を止めてからも、彼は僕にとっての三大ギタリストにカウントされ続けている(残りの二人はクラレンス・ホワイトとQ時代のアル・アンダーソン)。そしてすぐ黒と白のテレキャスを買って悦に入り、指弾きを始めた。のちにそのギターも友達にあげちゃったけどね。
多分、観た回数で言ったら外タレ一位なんじゃなかろうか。
でもいつだったかの来日の時(渋谷クアトロだったと思う)最後に大物日本人ミュージシャンが出てきて大セッション大会で大盛り上がり、みたいな流れでなんだか冷めちゃった。
外タレにゲストはいらないんだよなー正直言って。こっちにとっては、何年も(この人は毎年のように来てたけど)溜め込んだその人(やバンド)への思いを一気に発散する、そんな貴重な二時間(程度)なんだからさ。勝手な思い込みなのは承知してるけど、正直いらないんだよなーどんな大物であってもレアであっても。
それで、なんとなく、離れていっちゃった。
とか思ってたら2011年にも行ってたけどね。渋谷クアトロに。日記を遡ってて気付いた。
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もう最後に観たのがいつだったのかさえも思い出せない(思い出してるけど)、けれども間違いなく僕の人生を変えることになったかもしれない数少ない音楽家の一人であるウィルコ・ジョンソンの最後の来日公演に行かなかった、というのは多分それなりに数日間は悶々とするような出来事になると思う。
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