当然ながら極度の寝不足に陥っている。
もう今更何も、強がることも罵ることもないのだ。そう、何も言うまい。
ところで。
最近とみに、「太ったなぁ」と思う。
幾重にも重ねられた横腹や、走ると微妙に揺れる胸や、指で摘める背中を思う度、自分が汚らわしく感じる。とは言っても、自分と同世代で、僕より遥かに肥えた体格の人を見ても何とも思わないし、僕とブルース・リーの間の、遥かにあっち側に近い所に位置する人を見てもやっぱり何とも思わない。では一体何と比較して、この鏡に映る姿をこんなに嫌悪しているのか。
言うまでもなく、10年前の自分だ。昔はいかに格好良かったのか、などと寝言を言うつもりはない。ただのガリガリ君だっただけだ。胸で洗濯が出来るとか、頬がムンクの叫びだとか、そんな屁みたいな小ネタが実際に活きるような、そんな体型だったのだ。もっと分かりやすく言うならば、30年前の少年ジャンプの巻末には必ず載っていた漫画の、浜辺で海パン姿になってコンプレックスに打ちひしがれる青年のような、そんな体型だったのだ。分かりにくくなったかもしれない。
何はともあれ、そんな、人様に決して誇ることが出来ないような体型を懐かしむようになってしまった。
もっとはっきり言ってしまうと、今現在の理想的な肉体を誇る他人様に憧れるのでなく、どうでもよかった昔の自分自身の姿をどこかで、無意識の内に意識するような思考を持つに至った自分に、何よりも強く、「老けたなぁ」と思うのだ。

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