仕事帰り、新宿武蔵野館で『レッド・ファミリー』(イ・ジュヒョン/2014・韓)。
実際の北朝鮮がどんなものなのか、僕は正直のところさっぱり分からないので、こういった環境の人達が本当にいるのか、いるとしたらいっぱいいるのか、それとも極々稀な立場の人達なのか、どの辺りまで当然のこととして認知されているのか、どの辺りから誇張が加味されているのか、そこがちょっと気になってしまった。
韓国映画(ドラマでもいいけど)って、とことんエンターテインメントに徹しているので、どんどん神の手連発したり、都合の悪い所は完全無視、細かいことは気にすんな!というスタンスが徹底されているような気がして、それがちょっと、実は結構僕は好き(とか言ってそんなに観てないけど)。恋愛ものでこれやられるとげんなりする時もあるけれど、シリアスなテーマだとぐんぐん惹きこまれる。とにかく上げと下げが激しいから。この映画も脚本が相当面白くて、最後まで醒めることなく楽しめた。だからまあ、楽しめばいいってことなんだろうけどね。
ちなみに、そんな大きい声じゃこっちだって丸聞こえじゃないですか?とか、明日の旅行っておい、とか色々あるんですけど、女優さんみんな可愛いしね、全然オッケー。
あっちこっちで小さな希望が見えてきて、一番期待している希望は絶望に変わって、だから何か形に残るものを思っていたところで最後の最後、あれはすごく大きな大きな完全なる希望なんだけど、あれ?いいのかなこれで?
なんだか複雑。
もうちょっと反芻する時間が欲しい。

Gaga
===
と思っていたのにも拘らず、そのあとハシゴ。
シネマカリテで『荒野の千鳥足』(原題:Wake in Fright/テッド・コッチェフ/1971・豪米)。
いやいやいや、まったくサイコーに気分が悪くなる映画だったぜ。こんな映画どうやったら作れるんだ?原作はいったいどうなってるんだ?
ビールもすごいけど汗もすごい。ベッチャベチャ。汚い厭らしい下品な西洋な感じ。こちらのどうしようもない偏見が全て肯定的に大画面で映し出される。あれ、日本人じゃ絶対表現できないからね。あの不快な世界に溺れていきながらも何故かてへぺろの境地に達しているもんね。あれは日本映画で観たことがない。悲壮感がまず出てきちゃうしそれを期待しちゃうもん。多分。
モラルと善は、ちっともイコールじゃないという、ごくごく当たり前のことをフツーに出しちゃうとここまで不快極まりない世界になっちゃうという、映画の中の映画。
サイテーサイアクのオススメ。

Facebook
===
今日はすっごく疲れてしまった。あまりに有意義すぎた。ハシゴするにはちょっと勿体ない、そんな二本でしたとさ。
帰りは人身事故とかでけっこう修羅場だったみたいだけど、埼京線のギリギリ、遅れる一本手前に乗れちゃったのでラッキーでした。
tags : 映画

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

Post Navigation