Singin’ Enocky

1曲目から、度肝を抜かれた。
「今日は一人。あそこでね。」と開演前にビールを飲みながらドラムセットを指差し、はにかんだような笑いを見せたロッキン・エノッキーハイハット、バスドラ、シンバルを器用に扱いながら、その時の表情のまま超絶のギターと牧歌的な声を披露する。観ているこっちも釣られてか、自然と顔がほころび、爪先でリズムをしまうのだ。
初めてやって来た、新宿二丁目のスモーキン・ブギ。地図で事前に確認していたにも拘らず、やっぱり迷ってしまう方向オンチがニクイ。中に入ると予想の半分くらいの広さで、造りも全然しっかりして「いなく」て、良かった。いい加減さが伝わってくるくらいがやはり音楽を演奏する場には適している。そんなロケーションもあってか、ビールとカレーピラフを前にしてエノッキーの面白音楽話に耳を傾けていると、何しに来たんだか分からなくなっちゃうくらいリラックスしてしまった。相当底無しにいい人なので、こっちが求めるだけ話をしてくれる。なかなかこういう人はいないぞ。イギリスに行って、訳もわからず楽屋に入っていってシド・グリフィン達とお酒を飲んでいた時(無論喋れないので黙って頷くだけだか)の感覚を思い出した。とてもフラットでウェルカムな付き合いをしてくれているのを目の当たりにして舞い上がりつつも段々時間が経つにつれ肩の力が抜けてきて終いには図々しくなっていく様。自分を売り込む間もなく相手のペースに乗せられていく心地よさ。人徳云々ではなく、もっと根本的な部分に流れているとっつき安さとでも言おうか。同じ趣味を持った人間にはとことん心を開こうとする余りに無防備な笑顔は、なかなか作ろうとしても作れるものではないのだ。
演奏される全ての曲に、強く深い愛情が込められているのがひしひしと伝わってきて、「あぁ、ヴィデオはもうどうでもいいや」と手の力が抜けてしまうこと数回。たった一人の、言うなればまったくメリハリのないステージなのに、1秒たりとも飽きることがなかった。白眉はDon & Dueyの「Justine」。古い曲が多くて、さすがに僕には出典が分からないものが多い。この曲も勿論エノッキーに教えてもらったのだ。原曲は掛け合いコーラスでよりゴージャスなものなのだという(CD化されているのだろうか。残念ながらamazonでもGemmでも引っ掛からなかった)。他にも数曲あったのだが、せっかく教えて貰いながらも悲しいことに覚えていない。その他、バディ・ホリーベンチャーズラモーンズも飛び出してきて、もう楽しくて楽しくて。あっという間の50分間であった。
静かな予感。トトチャンに新たな波が訪れそう。
以前から気になる存在であった、ブギー・ボーイ・イクトも遊びに来ていたので、次回ここでエノッキーと共演する時には、と撮影の許可を貰った。しかしその「次回」である7/16は特急楽団とギターパンダのレッド・クロスとぶつかっていた。悩みますねぇ。まあ結構頻繁にライヴをやってくれている人なので、近い内に撮らせてもらおう。観た事も聴いたこともないのだけど、絶対ぶっとんでる人に違いないと思うのだ。だから大丈夫。
いやぁ、日本のロックは面白いや。
最後に、最近本人もハマりまくっているヴィデオ・サイトを紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=zrLzs8MYBQk&search=enocky
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以下、メモ。
01.分からない 02.C’mon Let’s Go 03.South 04.Act Naturally 05.Sha-La-Lee 06.Velocity Stuff 07.Slippin’ & Slidin’ 08.Blue Moon Of Kentucky 09.なんとかパレス 10.Sweet Georgia Brown 11.Get Alittle 12.分からない 13.Oh Oh I Love Her So 14.Justine 15.Walk Don’t Run 16.Truck Drivin’ Man 17.Whole Lotta Shakin’ Goin’ On 18.Let’s Go Boppin’ Tonight

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