入院五日目。
f:id:Tot:20140203082638j:image:w360:leftf:id:Tot:20140203123034j:image:w360:left8時半恒例の診察で、モウダイジョブデスネ、出ました!「明日の朝にガーゼを抜きましょう」と!もちろんこれは当初の予定通りだったんだけど、ダメ元で「じゃあセンセ、今晩でも一緒じゃないですか?」とすがりついたら、時間が取れるか分からないから、とあまり気乗りしていない様子。でもくじけずに何時でもいいから来れたら来てプリーズプリーズプリーズ!と涙ながら(ガーゼのおかげで自然と溢れ出る)に訴えて別れる。
なんとなくそれだけで気もラクになり、怠惰生活もなんとなく積極的なダラケになる。相変わらず不快で痛いけど、やっぱ気の持ちようでどうとでも変わるもんだなーと実感。
夕方18時過ぎ、そろそろ夕飯のお時間ですよという時にUちゃんが来てくれて、今朝の話をしていて良かった良かったなんて言ってたら、きゃーー先生現る!かっこいーっ!「ゴハン食べたらやりましょう」なんて言ってくれたけど勿論メシなんかどーでもいいです。すぐやってください!と頼んで処置室へGO!
診察用の椅子(歯医者さんの椅子みたいな)に座って、手術で使いそうな銀色のトレイを自分で持ち、先生がピンセットで、「はい、じゃまず右から抜きますねー」とガーゼを掴んで

ズボボボボ。

んごあgxzdゅg「i!!

この44年間で、一度も味わったことのない種類の痛み。何も比較対象がない。だから激痛と言いたいところだけど、それよりもっとすごい感覚。
そしてトレイに「 どぽん。 」とガーゼが落ちる。それはなんというか、恵方巻のような、サナダ虫のような。とっさに測ったところ、目から唇くらいの長さがある。多少巻きが伸びているだろうし、血も吸い込んでいるから膨れてもいるだろうけど、それが鼻の穴に入っていたって想像するとそりゃもうあんた。
ぅぐぐおあうぐが・・・と呻きながら鼻からどわっと溢れる血を感じ、かつ目や鼻にのしかかっていた圧力がすうっと抜けていくのも感じる。
「大丈夫?一寸待ってねもう一個あるから。はい行くよぉ」

左もズボボボボ。

すげえぜこれ。でぅわあ〜。

更に奥の薄いガーゼ?らしきものを取るとかでジュバー!と消毒だか洗浄だか。そしてグボォっと剥がす。もうなにがなんだか意味がわからない。
これをやると、男性は気を失ってしまう人もいるらしい。まああんなアップでサナダ虫見たらね、と理解を示せないわけでもないな。ちなみに女性は皆無なんだって。ガールイズストロングだね。
「ちょっとそのまま休んでていいよ」と言ってくれたので椅子に座ってたら、いつものくせで姿勢が悪くなりふんぞり返ってしまっていた。自分としてはリラックスしているつもりだったのだけれど、それを見た先生、大慌てで「大丈夫?意識ある?名前は?」と駆け寄ってきてくれて、そのままうしろのベッドまで連れてってくれて寝かしてくれちゃった。優しいのね。
10分ほどそのまま世間話をしていて、先生も仕事が溜まっているようで、「じゃ谷川さん、あっちで寝よう」とナースステーションの真ん前のソファーに横にならせてもらった。そして先生はどこかに打ち合わせの電話をし始めた。こんなると話し相手もいないし退屈してきちゃって、なんとなく足をブラブラさせていたら、またしても「大丈夫?痛い?」と心配してくれる。なんだかいい加減申し訳ない気持ちで一杯になってきちゃったので、「もう帰る」と言い残して病室に帰ってきた。
痛み云々とかフラフラとかそういうのはないんだけど、血の味や匂いが残っていて気持ち悪い。だからとにかく口の中をすっきりさせたくてペットボトルの水を含む。
感動的だった。昨日までほんのちょびっとしか口に入れられなかった水。今や「ゴクゴク」飲めるのだ!嬉しかったよぉ。
結局食事は取る気になれず、そのまんまお返しする。
今は乾燥を防ぐ為に鼻の穴に綿球を詰めてマスクを着けている。鼻呼吸が出来ないのは昨日とまったく同じだけれど、もちろん全然違う。そして気持ちも超がつくほどポジティブ。
===
21時に消灯してから無性に腹が減って、深夜に病院内の24時間コンビニで弁当を買って食べる。退院も一日早まって水曜日の朝には出られるとのこと。あ〜幸せ。
写真。晩飯は食べてないので撮っていない。ちなみに鮭だったような気がする。こんなもの撮ってて何が楽しいんだろうと自分でも思っていたけれど、あまり回りの風景撮るのもいかがなものかとも思い、何も撮らないのもやっぱりなんとなく寂しいとも思い、結局撮り続けているけど結構虚しいな〜と思いながら撮っていた。
9:28/体重58.5kg/血圧134-77-77
tags : 鼻づまり 鼻中隔湾曲症

入院四日目。
f:id:Tot:20140202081742j:image:w360:leftf:id:Tot:20140202122852j:image:w360:leftf:id:Tot:20140202181248j:image:w360:leftまだまだ「良くなってきた」などという実感は持てる筈もなく、朝から一定の不快感を保ちながら過ごす。
風呂もガーゼが取れるまでは禁止なので、髪もそろそろ不快。蒸しタオルで拭いてみたりもするけれど、やっぱりそんなものですっきりするはずもない。とはいってもやっぱり、上昇し続ける不快指数など物ともしない、絶対的な安定度を誇る諦め指数の前に、全ての事象を不問に付す他なかった。
相変わらずいっぱい口に含むことが出来ない為、チョボチョボショボショボと朝食を済ませ、鼻のガーゼを変え、オットセイストレッチを行い、本も音楽もその気になれず、院内散歩も億劫で、仕方なしにベッド上で正座をして何となく時が過ぎるのを待つ。
===
Yノミちゃんが来てくれた。ぷらっとやって来て、ペラペラっと喋って、さらっと帰って行った。僕は彼女のこういうところが大好き。彼女の表現してくれる愛って、重くない。かといって「軽い」わけでもなくって、とっても「自然」。これは小心ズの芸風にもとてもよく表れていて、どのネタを観ていても感じるのが、積極的なアピールはしているのだけれど、小心ズ(が扮している登場人物たち)は決して客に定型の理解を求めない。決まった形の共通認識が作られるその直前で、いつも彼女はアピールも説明も止めてしまう。くどくどしていないし、補足もしない。その潔さがいつも気持ち良くもあり、そして時には物足りなくもある。だから毎回気が抜けない。
そんな小心ズワールドを、ここ信濃町の病院の一室で、しかも寝巻姿で独占状態で楽しめるとは、なんと贅沢なことだろう。
===
昼食で落ち込む。
いつものようにトレイが運ばれてきたので、箸を取り出し・・・あらら?箸入れが空っぽになっていた。
朝食時、食べ終わったトレイと一緒に箸もワゴンに戻してしまったらしい。
会社で何年も仕出弁当を食べているけど、その時にマイ箸を一緒に返却することなんか絶対にあり得ない。自宅でコンビニ弁当を食べて、箸を一緒に捨ててしまうなんて想像も付かない。
でもたったの四日間で、三度の食事でさえもルーティーンワークと化し、何ら自発的な行動でなくなってしまっている。ベッドで待ってたらご飯が出てきて、食べ終わったらワゴンに戻してあとは寝てる。そしたらご飯が出てきて・・・。こんなにもあっさりと、僕は自らの社会的生存能力を放棄してしまった。それを保ち続ける必要もないし、それを保ち続ける意識が、ここでの生活をちょっとばかし面倒にさせてくれるからだ。任せっぱなしにして、言われるままに行動するだけの方が、ラクチンなんだよね、みたいな。
そんなことを考えているはずもなく、何ら強い意識も勿論持っていなかったけれど、そこに微塵も注意を払うことなくそういう行動を取ってしまったということに、自らの中にボケの初期症状を垣間見てしまったような気がして怖い。
===
落ち込んでいたらKちゃんが来てくれた。
さっそく涙ながらの痴呆カミングアウトをし、余生の過ごし方について教えを乞うたところ、「箸買えばいーじゃん」と明快な答えが返ってきた。
んなわけでリハビリも兼ねて外のコンビニに脱走し、割り箸(毎回捨ててヨシ!)と紙コップ(お茶飲める!)とストロー(水飲みやすい!)を買いに行った。そうかこうすればよかったのか。人生の盲点だったわ。
そのあとYとNも来てくれたので、さっそく面白おかしく箸ネタを披露してみたのだが、話が長すぎたか余りウケは良くなかった。
でももういい。あまり深く考えないことにする。
写真。左から朝、昼、晩。どうでもいいことだけど、朝はマイ箸、昼は(撮ってから気付いて貰いに行った)スプーン、夜は割り箸で食べている。更にどうでもいいけど夜は紙コップにお茶を貰っている。
9:13/体重58.8kg/血圧134-68-64
tags : 鼻づまり 鼻中隔湾曲症

入院三日目。
f:id:Tot:20140201084300j:image:w360:leftf:id:Tot:20140201123526j:image:w360:leftf:id:Tot:20140201181332j:image:w360:left

足マッサージ、酸素マスクは外してもらう。
点滴は挿されたままだけど、朝食(流動食)を残さず食べられるくらい元気なら抜いてくれるとのことで必死で喰らう。鼻が全部塞がっていると(理屈は良く分からないけど)飲み込むことが出来ない。唾でさえも、ゴクンとやると両耳にペキーン!と怪音を伴う激痛が走る。ましてや流動食でズバリ不味い。これは必死だった。
食べ終わっても誰も確認に来ないし、お盆をワゴンの中に入れちゃえば係の人が運んでいっちゃうし、まあ今にして思うと多少残しても点滴はスケジュールに沿って抜いてくれたんだろう。なんとなく当時もそう感じてはいたけれど、やっぱり入院による弱気がそうさせたんだと思う。
抜いてー抜いてーとせがみまくった結果(ただ単に最後の点滴袋がカラになったというタイミングで)点滴生活終了。
昼食時、父と母が来てくれる。父は僕が退院する日に入院とのこと。以前父の見舞いに行った時、病院の食事をゆっくりゆっくり食べているを「タイヘンダネー」なんて思いながら眺めていたことがあるけれど、今日はちょうど反対の立場だった。なかなか食べ終えることの出来ない僕を無言で眺めていた。
母に水を買ってきてもらったけど、心底飲みたいのにチビチビしか飲めない。というか口に含むことが出来ない。せいぜいペットボトルの蓋に注いだ程度の量で、それをペキーン!と共に飲み込む。ツライ。それでも飲みたいから手に負えない。
鼻にはガーゼがずっと詰まってはいるけれど、血や膿(というか鼻汁)が出てきてしまうので穴(の出口部分)を脱脂綿というか綿球で塞いである。これを一日に何回か取り替えて、膿をふき取る。もちろんとっても汚いのであまり楽しい作業ではないけれど、絶対良くなるなという気持ちも沸いてきて少しだけ前向きになったりもする。
しかしとにかく24時間口呼吸なので、口の中、喉の方までカラッカラで、恐らく鼻(の内側)から垂れて来ている血(らしきもの)も張り付いている、ようなそんな気分。だから水飲みたい、でも耳痛い。
ガーゼはとにかく奥の方まで徹底的に詰めてあるので、どうやら目の神経を刺激したりもするらしい。僕はひたすら涙が止まらず、10分も開けているとぐ〜〜っっと疲れてきちゃう。そして目ヤニの量もパない。
そして何故かクシャミが炸裂しまくりで、一回スイッチが入ると最低10回は連続で続いてしまう。この状況でヘッドバンキングなんてもってのほかだし、クシャミを止めるには鼻をつまむといいはずなんだけど元々つまんでるような状態なので完全になされるがまま。クシュン!とする度に鼻の内側にジ〜ン!と痺れが走る。そしてタイミングを問わず24時間体制なので、本人もキツかったけど同室の人(この時は隣のカーテン越しのAさんのみ)にもかなり迷惑をかけたと思う。すんませんでした。看護婦さんに言ったらあっさり「相部屋ってそういうもんですよ」と言われて、まあそりゃそうだねとも思ったけど。
夕方Kも来てくれる。全然チカラが抜け切ってて色々話をしたくてもすぐ息切れしちゃうわ涙止まらんわでボーっとしてるだけだったけど、やはりこうして来てもらえるのはありがたいものだなぁ。

16時頃、一人になった瞬間に意識を失って爆睡、夕飯で起こされる。
まだまだ、先は長い入院生活。
12:06/体重59.3kg/血圧135-?-?
tags : 鼻づまり 鼻中隔湾曲症

入院二日目。
f:id:Tot:20140131101427j:image:w360:left
朝食時間に点滴スタート。手術は午後からになりそうなんだけど、それまでずーっとやってなきゃいけないんだって。
点滴ツライわー。不快だわー。
母が来てくれる。何か必要なものはないか等聞かれるが、何も思い浮かばず、ただ唯一、影武者が欲しいと思った。
手術時間は昼過ぎ、としか分からない。しょうがないので、寝る。母は手術が終わるまで居てくれるらしいが、やっぱりどうしようもないので週刊文春を読んで時間をつぶしていたみたい。
午後になり、美人の担当看護婦に呼ばれ、一緒に歩いて手術室に向かう。母は病室に留まり週刊文春を読み続ける。昨日のうちは美人看護婦に軽口でも叩こうと目論んでいたが、あまりそういう余裕がなくって必死に搾り出した言葉は「やっぱなんかコワイよねー」だけだった。彼女が「あははーっ!」って笑ってくれたのが救いだったけど。
手術室の前のなんとか室で二人で待っていると、カラのベッドが運ばれてきて、「はいコチラに横になってください」と。そしてテレビとかでよく観るベッドに横になって手術室に運ばれる。ほんの5mくらいなんだからそこも歩かせてくれて手術室に入ってから横にさせてくれればどんなにラクなことか。わざわざ「運ばれる」ことで恐怖心を煽っているのだろうか。しかも美人看護婦が手を握って「タニカワさんしっかり!わかる?ワタシよ!」とかいう絵を想像してたんだけど、彼女は「じゃよろしくお願いしまーす!タニカワさんがんばってーっ!」と陽気に手を振り出した。なんだよなんだよ。「アタシはここまででーす!」あー・・・。
手術室では、主治医のC先生が待ち構えていた。「タニカワさんがんばりましょうね!」うえーこえー。セイセイもうやめよー。
麻酔医が口にマスクを当ててくる。「今は酸素が流れてまーす。このあと麻酔を流しますねー。いくつまで数えられるかなー?」何その子供扱い。「数えなきゃダメなの?すぐ寝ちゃっちゃマズイ?」「あ、もちろん構いませんよー(笑顔)」じゃ言うな。さっさと麻酔入れろって。「あ、じゃ、すぐ寝さしてもらいまー
そこから覚えていない。
===
タニカワさーん、タニカワさーん。
起こされたら手術室の外に出ていた。C先生が「忘れないうちに渡しとくね。はいコレ!」と小さい透明ケースを渡してくれる。摘出した鼻の骨の一部、らしい。小さいけれど、鼻の中にあったことを考えると、やっぱデカイ。すげー。
ある意味手術よりも恐怖だったおしっこ管はもう抜かれていた。もちろん挿されていた記憶もないので、恥辱プレイを回避出来た喜びに打ちひしがれる。着いているのは左腕の点滴、両ふくらはぎのマッサージパッド(?血行のなんたら用?)、酸素マスク。それから勿論両鼻の穴に隙間なくびっちり埋め込まれた大きな(実際のサイズはわからない)ガーゼ。当然鼻呼吸は出来ないので、手術前よりも苦しい。
おつかれさまでしたーっ。
って言われても寝てたんだから良く分からない。そちらこそお疲れ様でしょうに。でもC先生曰く「とても順調でした。一時間弱で済みましたよ」って。「痛みはありませんか?」と聞かれた途端、猛烈な腰痛を思い出し、ベッドを動かすのをちょっと待ってもらって、うつ伏せでオットセイストレッチを1分ほどさせてもらう。「元気ですねーこんな人初めてだ」と笑ってくれていたけど、これは鼻や点滴の痛みなんか比べ物にならないくらい辛かった。我が家の布団が究極に煎餅状態なので、今朝からの点滴でずっと横になっていたのが相当きいてるみたい。
f:id:Tot:20140131165211j:image:w360:left
そこからまだぼーっとしてて、なんとなくあの入院病棟のあの部屋にまで運ばれていて、そのままなんとなく起きていたつもりだったんだが、多分寝ていたんだろう。写真は朦朧としながらも、「頼む」と母にiPhoneを渡して撮ってもらった。笑ってるつもりだったんだけどな。
点滴を交換してくれた看護婦さん(この人はあまり接点持てなかったけど僕にとってのNo2)に「鼻すごい?ブサイク?」と聞いてみたら「う〜ん、そうね。確かに」と言われた。ぎゃははっと笑いたかったけど、やっぱりこれもピクっと口元を歪める程度しか出来なかったんだと思う。
母が「じゃ帰るねー。退屈したらこれ読むといいわよ」と週刊文春を置いていった。
7:22/体重59.7kg/血圧116-84-73
tags : 鼻づまり 鼻中隔湾曲症

10時半頃、慶應義塾大学病院に到着。入院受付で必要書類(同意書と同意書と同意書と・・・)を出し、病棟に11時過ぎに辿り着く。
さっそく看護婦さんが大きな声で挨拶してくれる。こんなの当たり前のことなんだけど、これだけで結構気分もラクになるもんだ。元気な挨拶って大事だね。病室に連れて行ってもらい、同室の人達にも彼女が声をかけてくれる。「○○さーん、こちらタニカワさんでーす!」助かる。
11時半過ぎから軽くオリエンテーション。風呂の時間はこうこうこうで、体を拭くタオルはここの棚で、毎朝の診察はあそこの部屋で・・・ああ、入院するんだなぁと実感が増す。
隣のベッドのAさんはカーテン閉め切り状態で顔も分からない。向かいのBさんによると、けっこう大変な闘病生活みたいだ。Bさんは昨日入って今日手術して明日退院なんだって。そのせいか陽気でリラックスしまくり。このおじさんのおかげで初日の憂鬱はだいぶ軽減された。タバコで脱走するなら駅前の喫煙所もいいけど学会側の通りにある喫茶店もお薦めですよとの情報もいただく。
f:id:Tot:20140130122759j:image:w360:left
12時過ぎ、昼食。箸を持参するということを知らなかった(きっと案内をちゃんと読んでいなかったんだろうけど)ので、フォークを借りて食べる。味そのものには何の不満もないけれど、日本スタイルのゴハンをフォークで食べるという行為によって究極に不味く感じて泣きそうになる。お茶も振舞ってくれるけど、湯のみも持参しなきゃダメなのよ、と言われ更に泣きそうになる。
担当の看護婦さんやら先生やらが、入れ替わり立ち代り入院日程、スケジュール、手術方針、使用する薬等々の説明に来る。どれも取り立てて新しいネタではないので結構疲れた。
===
そもそも今回は20年くらい悩まされていた鼻づまりの治療で、自ら進んで病院に来て自ら進んで手術入院を決めたので、あまり悲壮感はないつもりだったのだけれど、それでもやっぱり日が近づくにつれ漠然とした不安感(と猛烈なめんどくさい感)に襲われてしまって、昨夜と今朝は本当にイヤイヤ気分満載だった。
事前にネットで検索して、痛いだの辛いだのネガティヴ情報ばかり目に付くのでその後一切の情報収集を禁止していたのだけれど、たまたま会社の部下が数年前に同じような治療(手術入院。同じく一週間。手術としては僕のそれより一歩くらい軽い処置)を受けていたのでなんとなくその話が出ちゃって、そしたら僕の仕入れたネット情報よりも過酷な一週間になる、退院後の帰り道もツライなんて話をナマで聞かされちゃって、明日(手術)から始まる地獄の日々を想像するとただただ憂鬱フィーリング。しかも時間単位で決められた病院スケジュールでトイレの回数の報告まで義務付けられ(全然当たり前のことって気はしてるんです。理解はしてます)、なんかもう完全に無力感に襲われる。
で、どうするのかっていうと、昨日までの日常に戻り、自分だけで判断して行動を取ることでなんとなく「まだダイジョブ」みたいな気持ちを保つ為に、つまりどうするのかっていうと、タバコ脱走なわけである。さほど吸いたいわけでもないので、Bさん耳より情報の喫茶店には行かず(屋内じゃケムいだろうと)に駅前の喫煙所。結局午後から寝るまでに3回行ってしまった。そしてさほど美味しいとも感じなかった。
f:id:Tot:20140130182134j:image:w360:left
病院内の売店で箸を買い、夕食。明日は朝から点滴なんだと。だからある意味、というかこの時点だけに限って言えば最後の晩餐。決して不味くはないのでペロリと平らげるが、やっぱりさほど美味しいとも感じなかった。でもこれからは手術まで食事禁止。かつ21時以降は飲み物禁止。水もダメだって。うわーい。
夜、Uがひょっこり現れる。途中で先生の手術説明タイムになっちゃったので短い間だったけれど、話相手になってもらえたことで気分は遥かにラク。感謝。
19:00−体重60.6kg
tags : 鼻づまり 鼻中隔湾曲症

朝帰りで即寝。昼頃に電話で起こされてふざけんなと一瞬思ったけど、とっくに起きなきゃいけない時間だったので感謝しながら急いでシャワーを浴びてあわただしく出発。
三度目の病院。今日はなんか良く分からないけど別の先生の診察。エライセンセのGoサインが出ないとダメなんだろうね。もうとっくに決まっている話なはずなのに手術以外の方法としては、なんて言い出す。手術入院の予約を入れてもらっていることも分かってなかった様子。
入院あれこれの書類を受け取る為でもあるので来る必要があったのは分かっているけど、なんだか無駄な診察時間だった。でもやっぱりこういう時、「センセをおこらせちゃいけない」なんて気持ちが若干働いていて、いつも以上におだやかに振舞っている自分がいたりもする。
===
そのあとギロッポンで
Elvis Costello & The Imposters @ EX Theater。
新世界にカセットコンロスを観に行った時、途中の道で工事をやっててそのシルエットがとても素敵で、あー写真を撮れば良かったぜと悔やんでいた建物、それがEXシアターでした。
寒空の下(炎天下でも一緒だけど)、あそこで待たされるのは正直ツライ。ラウンジがあるっていっても開場時間になると閉めて追い出されちゃうのは正直ツライ。コインロッカーの両替機が死んでいるのは正直ツライ。
まあ、色々思うところはあったのですが、そんなことより当日になって急にスタンディングが指定席になったのには心底ガッカリというか失望、主催者にも出演者にも。噂によると単純に売れてなかったからってことみたい。僕は最初っから2階の指定席を買ったんだけど、近くで観たいけどずっと立ってるのは正直キツイかも、ということで2階にした。だから1階が指定席だったらそっち買ってましたよ。案外こういう人多いと思うんだけど。
ホント、客を舐めてるよね。というか人民を舐めてるよね。黙って従うと思ってるんだよね。実際そうだけど。でも売れていない(という理由だとするならば)その責任を、客との契約を一方的に変更することで取り繕うのって、かっこわるすぎでしょ?
開場してから、そんなことをブツブツ心の中でつぶやきながら物販に並んでいたら、「おっ」と声をかけられ、振り向くとそこにはチョビさん。中学校時代の同級生。一緒に進学塾に通ったり一緒にサボったりしたチョビさんでした。ここにいるのは落ち着いて考えてみると全然不思議なことでもなくて、中学生当時にコステロを聴かせたら瞬間的にハマっちゃって僕より詳しい人になっちゃってそのあとニック・ロウとかも聴きまくっていた人である。だから僕の中ではコステロといえばチョビさんは必ずついてくるネタなのだけど、それでもやっぱり、びつくり。スタンディングを買ったチョビさんも今日は指定席なので、開演までゆっくりロビーで駄弁ってました。スマッシュ、ナイス判断!VIVA指定席!
ちなみにショウは大変素晴らしいものでした。
観客をステージに上げて、ルーレットを回してもらって次の演奏する曲を決めさせるという、海外では結構前からやってたはずの流石流石な演出がとうとうニッポンにもやって来る!ということで、多分10年以上ぶりに生コスッテロだったわけなんだけど、実際どんな感じになるのかは一切予習(DVDもあるはず)をしてなくて、間延びしちゃうんじゃないかとかいらぬ心配をしてしまったけど、そのへんは当たり前だけど流石流石でした。ズルしたりジラしたり、飽きる瞬間がない、それはそれは見事な反射神経の持ち主だということをひらすら痛感させられる2時間だか3時間。
ニッポン有数のコステロフェチとして名高いアヤコちゃんとヒトミちゃんとタマっちゃんにも並んでいる時にあったんだけど、ここは全然驚かない。いなかったら逆に驚く。「おーす」とか軽〜い感じで流してたんですが、そしたらアンコールの時にステージに上げられた女子に見覚えが・・・!
コステロ「げへへ。名前は?」女子1「ヒトミ。」女子2「アヤコ。」僕「(ぎゃー!!)」
すごいね。ちゃんと愛が通じるという、ミラクルマンリサイタル。
なんか、色んな意味で感動させられる夜でした。
tags : 鼻づまり  鼻中隔湾曲症 elviscostello

2回目の病院。
f:id:Tot:20140217171941j:image:left
朝イチでCT。移動棺桶をイメージしていたのだが、椅子に腰掛けてウイウイしている音を聞きながら目をつぶっていたら終わっていた。
そのあとすぐ診察。12月にもう一回、そして1月にもう一回、そして1月末に手術。これが最短コースだとのこと。入院は一週間。真ん中の曲がった骨(「>」みたいになってるヤツ)を取るって。というより削るってことかな。向かって左側が右鼻、右側が左鼻。「>」の両側の黒い部分がいわゆる穴。この角度だと左が完全に塞がってる。別の角度で見ると右は奥の方で塞がってる。要するにどっちもダメってことだね。
恐ろしい本当に恐ろしい。全身麻酔なのは不幸中の幸い。でも恐ろしい。
診察が終わったら、もう会計すぐ出来ますよ、とのことでそのまま自動会計機で支払い。病院の敷地に入ってちょうど一時間だった。いつもこうならいいのに。
===
終わってから外苑巡り。エラそうな建物があったので何かと思って近寄ると、絵画館。なんでも明治天皇に関する絵があるとか。まあヒマなので500円払って入ってみる。
入るとすぐの広間?ロビーを挟んで左右に分かれる展示室(というか通路)。1番から80番(覚えてない)くらいまでの大きな大きな絵が並ぶ。サイズも一緒で、そもそもここに展示するつもりで描かれたのか?だとしたらすごいよね。明治天皇の生まれてから死ぬまで、要所要所でのスナップ、みたいな?
右を見終わった時点で1878年。左も1878年だか79年から始まる。すると何故かここから絵のタッチが変わる。右は日本画(という括りでいいのかは分からないけど)。よく見る織田信長の肖像画みたいなタッチ。左の間は西洋画(という括りでいいのかは分からないけど)。なんで?画家はほぼ一枚ごとに変わっているみたいだけど、絵のスタイル?は完全にここから変わる。ちょうど右から左に変わる時、でも1878年って別にそれほど大きな転換の時でもないように思うし。
で、係員に聞いてみた。「う〜ん、まあ、何か変わったんでしょうね〜。」がっくし。
各絵には、キャプションが付いていて、○○年の何の時で、これが誰々さんで何をやってる、って分かりやすく教えてくれるんだけど、天皇、皇后には「陛下」って付けないのね。もちろん「・・・興味を示された」とかとても丁寧な言葉遣いなんだけど、主語は「天皇」。そうか、現役の人にしか「陛下」って付けないんだね。すごく勉強になった!
で、係員に聞いてみた。「う〜ん、そう、なんですかね〜。」がっくし。
絵が展示してある長廊下に、ポツンポツンと設置してあるなんとなく洒落た黒い物体。あれは、多分。
で、係員に聞いてみた。「そうです、ストーブです!昔は使ってたようですね」すっきりした〜っ!流石プロ!「石炭、じゃないですよね?灯油ですか?」「う〜ん、なの、かなぁ?」ここまで来るとむしろ快感。
そのあと近所をプラプラ。そしたら青山に着いちゃった。びっくり。青山ってこんなところにあるのか。しかもお洒落だし銀杏とか。
でも飽きたので池袋へ。
===
西武で吾妻ひでお原画展。
そして渋谷へ。
===
『ミッドナイト・ガイズ』。
疲れまくって腰にも相当な負荷。帰る。

tags : 鼻づまり  鼻中隔湾曲症 映画

先日実家に帰った時に、母親から「アンタいいかげんにしなさい。見てらんない」と怒られ、長年悩みの種だった鼻づまりを治療することをようやく決意。
そういや父親の小学校時代の同級生が医者だということで、しかも今度同窓会で会うわってことで紹介状を書いてもらった。
===
信濃町の大病院。受付に提出するその直前まで、封筒の中身を見ていなかったのだが、紹介元の先生が現役の医者なのか大学の教授なのかで料金が変わります、とか言われてそんなん知る由もなく、もちろん「先生です」と答えた。紹介状には「喉の違和感」とか書いてあるけど、「鼻です」と訂正した。「小学校時代からの友人のご子息」と書いてあったので、そんな理由が通用するのかと驚愕したけど、もちろん通用した。
紹介状って本当にひどい慣習だと思う。そこにちゃっかり乗っかっておきながらこんなこと言うのは何の説得力もないけど、本当にひどい。コネがなければ(この程度のことがコネになるのもびっくり)受付も待たされて料金まで変わる、みたい。何の説得力もないけど。
===
いざ診察。開口一番「喉ですね〜?」「いや、鼻です。」
じゃあ見てみよう、と内視鏡を突っ込まれたけど、左穴はすぐガン!とぶつかってしまって全然奥は見れなかった。ちなみに鼻血はブーブー出た。で、とにかく真ん中の骨が相当レベルで曲がっていて、手前は左、奥の方で右が塞がっているとのこと。薬でははっきり言って効果が望めないと言うので、「じゃ手術お願いします!」と言ったらちょっと驚いた様子かつ安心した様子で、「ですね」とあっさり方針決定。
帰宅してから改めて調べてみると、結構な流血が予想されるようで、あまり評判が宜しくないらしい。でもレーザーよりは(痛いし高いけど)遥かに効果的なんだとか。
怖いけど期待もしている。でも怖い方がなんとなく勝っているような気がしなくもない。だからこれ以上調べるのは止めようと思っている。
tags : 鼻づまり 鼻中隔湾曲症

風邪、治らず。
仕事を抜け出し病院へ。
一時間くらい待たされた挙句、一瞥で「あ、全然たいしたことねぇ」なんて言われちゃと悲しくなってくる。
すんごい注射を打ってくれ、一発で元気になるやつ!と所望するも、「あ、最近はアレ出来ねえことになっちゃったんだ」とつれない。「なんか、色々あったみたいで、アレ、もうダメなんだ」なんて説明じゃ何がなんなのか結局分からないままなんだけど、結論としては薬だけ貰って帰ってきた。
治るかなー。治すぞー。

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