我が家のすぐ近所に新しいラーメン屋さんが出来るという話を耳にし、ラーメン好きの僕は大変喜んでおったわけですが。
チェーン店でした。
できれば個人経営のしょぼくれた店を期待していたのですが、まあ新規開店でしょぼくれているようでは未来もなさそうなのでしかたのないことです。
インターネットで検索してみると、ワサワサ出てきました。どうやら開店時にラーメン一杯100円とか、野菜やニンニクの大盛りトッピングとか、そういうので有名かつ人気のお店だったようです。なんとなく名前も聞いたことがあるような気がしてきましたそういえば。
とても残念です。
こってりスープとかなんとか麺とか、そういうことに価値を見出されても困るのです。ラーメンはラーメンとして、普通に美味ければいいのです。好みの問題なのは百も承知ですけど。
更にそういう類いのお店は大抵、店員さんがやたらと元気で声がデカく、一人が何か言うと必ず他の店員も同じことを連呼します。
「らっしぇいえい〜!」「しぇいえい〜!」「しぇいえい〜!」
僕はこれがとても苦手で、食事中に大声を出すとは何事かと大いに憤ってしまって味を楽しむ気が失せてしまいます。ついでに同じ理由で大手チェーン中古本屋さんも苦手です。本を選ぶという、神聖な行為を店員の大声で台無しにされてしまったような気持ちになるのです。まあそれはどうでもいい話ですけど。
さてご近所のラーメン屋さん。開店三日間、ご多分に漏れず一杯100円祭りが開催されたようで、ウチのアパートメントの入口の方にも行列が続いていました。噂通りの人気です。まあ100円ですし。
この界隈が賑やかになることは大変結構なことなので基本的に歓迎するところではありますが、僕自身は「大声出しそうな行列のできる人気ラーメン屋」という時点ですっかり気持ちが萎えてしまって、自ら足を運ぶ気は完全に失せてしまいました。
まあ仕方のない話です。分かり合えないまでも認め合って共存していこう、そんなふうに考えていけばいいのではないか、そこから真の共同体意識が芽生えてくるのではないか、と自分に言い聞かせてこの数日を過ごしてきたのです。
そんなある日(つまり今日ですけど)、帰宅途中にそのラーメン屋を覗いてみると、時間帯のせいか店内はガラガラで、つい数日前までの喧騒が嘘のようでした。
こうなるとまた話は別です。それなら一回くらいは顔を出しておきましょうなんたってご近所さまだしそもそも食わず嫌いはいけねえ、という声がなんとなく胃の方向から聞こえてきたわけです。
(中略)
いや食えねえわ。無理だこれ。量の話じゃない、味だよ味。
多少声がデカくたって構わない。一人一人話をすれば(してないけど)とてもいい人なんだと思う。一緒にキャンプくらいは出来ると思う。バーベキューしても楽しいと思う。でもラーメンは無理。
一回くらい、とかもう言わない。
一回こっきりでいいわ。
100円でもオレは無理。